2017年1月27日金曜日

Khan of Khans キックスターター残り4日

グローランサを舞台としたライナー・クニツィア博士のカードゲーム Khan of Khnas のキックスターター募集期間が残り4日間となりました。


クニツィアは色々なゲームを作成していますが、これはゲーマー向けの複雑なやつではなく、子供と一緒に遊べるような家族向けゲームです。1月31日に終了予定ですので支援を予定していたひとはお忘れなく。

キックスターターURL: https://www.kickstarter.com/projects/448333182/khan-of-khans-family-game

前回から追加された部分のみ追記します。詳細は前回の記事を参照ください。


●日本語版プリント&プレイ

以下の Chaosium のサイトから無料でダウンロードできるプリント&プレイ版に日本語版(Japanese)が追加になりました(キックスターター応援のために私が個人用に翻訳したものを提供しました。誤訳とかあったらごめんなさい)。

Chaosium社のページ: http://www.chaosium.com/khan-of-khans

注意点として、あくまでこれはファンによる翻訳なので将来出る公式な日本語版では訳語などが変更になる可能性があります。あとプリント&プレイ版を無料で配布できるのはクニツィア博士との契約によりキックスターター期間だけと聞いていますので必要な人はすぐにダウンロードすることをお勧めします。


●アークライトから日本語版が

上記のダウンロードの注意書きで明らかになりましたが、日本語公式ライセンスをアークライト社が取得したとのことで将来的に公式な日本語版が出そうです。クニツィア博士のゲームは日本でも人気があるので、噂を聞いた時から出ると良いなとは思っていましたが、さすがといった感じです。

日本語版が欲しい人でも、とりあえず英語版も1ついかがでしょうか。内容は簡単なので英語版でも問題なく遊べます。「おまけ」も貰えますのでキックスターターでの支援をよろしくお願いします。


●追加支援レベル

以下の支援レベルが追加になっています。ほとんどはすぐに埋まってしまいましたが。

地域ごとのリーダー: $195 (各1名、埋まり済み)

完全版PDF、カードゲーム1個、Nomad GodsのルールブックPDF、記念の缶ケース、25cm×25cm のアートボード。以下の10種類がありルールブックにドラゴンパスの各地域のリーダーとして記載されます。

Count of the Sun Dome Lands (Sun Dome)
Feathered Horse/Luminous Stallion
The Inhuman King (Dragon's Eye)
Chief of the Colymar (Colymar Lands)
Lunar Governor of Tarsh (Furthest)
The Dwarf of Dwarf Mine
Dark Mistress of the Council of Elders
Prince of Sartar (Boldhome)
The Supreme Earthshaker
Great Beak, Lord of Quackford 

Art Patron (アート・パトロン): $250 (限定5名、空きあり)

内容的には Great Khan と同じですが、アートパネルと額入りアートの絵柄は好きなものを選択できます。ルールブックにアート・パトロンとして記載されます。

Jaldon Goldentooth (黄金の歯のジャルドン): $750 (1名、埋まり済み)

遊牧民の伝説の英雄ジャルドンのランクが追加されています。Great Khan の特典に加えて 25cm×25cmアートパネルは1種類ではなく10種類全て、30cm×30cmの額入りアートは好きなものを選択可能、そして送料無料です。


●追加ストレッチゴール

以下のストレッチゴールが追加になりました。全て達成済みです。

Graceful Vistas (壁紙セット): $23,000

もちろん本物の壁に貼る紙ではなくて PC のデスクトップやスマートフォンの背景画像として使用できる画像集がダウンロードで配られます。

BRP Central に専用のフォーラムを作成: $26,000

Chaosium 社がサポートに使用している電子掲示板である BRP Central に  Khan of Khans 専用のフォーラムが作成されます。これカードゲームで Basic Role Play じゃないとか、フォーラムくらい最初から作れよとか言いた気もしますが、とりあえず達成済みです。

勝利者トークン: $29,000

ゲームの勝利者を表すトークンが追加されます。「このトークンを持つ者は次のゲームで最初にカーンを選んだり最初に略奪に行くことができる」ということなのでスタート・プレイヤー・マーカーのように使うのだと思います。

プラックスとドラゴンパスの地図: $32,000

シャーマン($9)以上の支援者には以下のようなドラゴンパスとプラックス地域の地図の PDF がダウンロードで配られます。これは前の 13th Age Glorantha のキックスターター特典の地図と同じものだと思いますが、素敵な地図なのでグローランサ・ファンにはお勧めです。



2017年1月16日月曜日

Khan of Khans の kickstarter 募集中

現在グローランサを舞台としたファミリー向けカードゲーム、Khan of Khans (カーンの中のカーン)の資金募集が Kickstarter で開始されています。


ゲームデザインはなんどチグリス・ユーフラテスバトルラインモーダンアートなど多数のゲームをデザインした世界で最も有名なゲームデザイナーであるライナー・クニツィア(Reiner Knizia)です。

募集期間は今月末(2017年1月31日)までのようです。
キックターター URL: https://www.kickstarter.com/projects/448333182/khan-of-khans-family-game

●ゲーム内容

グローランサのゲームというと重いゲームを想像するかもしれませんが、これは子供でも遊べる簡単ゲーム(9歳以上となっていますが、9歳以下でも遊べそうです、というかこれ記憶力の高い子供の方が強い類いのゲームじゃないかな?)。1回のプレイ時間は20分程度ですので、家族で遊ぶ以外でもロールプレイングゲームや他の重めのゲームの合間に遊ぶのに良さそうです。


テーマ的にはプレイヤーたちはプラックス平原に住む部族ごとに独特な獣に乗った騎獣遊牧民のカーン(族長)となって、近隣のドラゴンパス地方に牛を略奪に行きます。ドラゴンパスの様々な地域を襲って牛を略奪し、最もたくさんの牛を持ち帰った者が勝利者となり「カーンの中のカーン(大族長)」となるというものです。基本では以下の5大部族から選ぶことができ、それぞれにちょっとした特殊能力を持っています。


現在テストプレイ用のプリント&プレイPDF が以下からダウンロードできますので、自分で印刷して、すぐに遊んでみることもできます。

Chaosium社の Khan of Khansのページ: www.chaosium.com/khan-of-khans

●支援レベル

支援レベルは以下のようになっています。PDF以外は以下の金額に加えて別途送料が必要になります(日本までの想定送料は今のところ $23 とのこと、送料が高くてつらい)。

 Member of the Tribe (部族の一員): $1

標準版のプリント&プレイ用PDFが配られます。

Shaman (シャーマン): $9

キックスターターで追加されたストレッチゴールまで含めた完全版のプリント&プレイPDFが配られます。

Warrior (戦士): $20

上記の完全版PDFに加えて、完成品のカードゲームが1つ配布されます。

Nomad Khan (遊牧民の族長): $29

完全版PDF、カードゲーム1つ、ウォーゲーム Nomad GodsのルールブックPDF版が配布されます。

Nomad Gods は大昔に出版された同じくグローランサのプラックス平原を舞台としたファンタジー・ウォーゲームです。ルールブックに遊牧民の各部族の情報などが記載されているので、設定について詳しく知りたい人向けということでしょうね。PDFのルールブックはフランスで復刻された第二版ではなく、初版のやつということなので以下のやつだと思います。



Herd Sister (家畜の群の姉妹): $36

完全版PDF、カードゲーム2個が報酬です。プレゼント用とか保管用とかにもう1つ欲しい人向けです。

Dwarven Tin (ドワーフの缶): $49

キックスターターの記念の限定の缶ケース入りバージョンです。ちょっと豪華に支援したい場合にはこちらを。もちろん完全版PDFもついてきます。

War Pary (戦闘分隊): $60

完全版PDF、カードゲーム4個。友人たちと共同購入して送料を浮かせるとか用ですかね。

Issaries Trader (イサリーズの行商人): $125

完全版PDF、カードゲーム10個。ショップとかの仕入れ用ということでしょうか。

Tribal Warband (部族の戦争部隊): $150

各部族ごとに6名限定のセットです。完全版PDF、カードゲーム1個、Nomad GodsのルールブックPDF、記念の缶ケース、25cm×25cm のアートボードがもらえます。アートボードは選んだ部族の絵柄で以下のようなおしゃれなやつです。

The Great Khan (偉大なるカーン): $250

各部族ごとに1名のみの特別限定で、上記の Tribal Warband の内容に加えて、以下の30cm×30cmの額入りのアートがついてきます。

●アドオン

セットに含まれていない場合でも支援金額に$9追加することで、Nomad Gods のルールブックPDFがもらえます。長く絶版で eBay とかのオークションサイトでルールブックだけでも高額がついていたので、グローランサファン的にはこれだけでも嬉しいかもしれません。

●ストレッチゴール

ストレッチゴールは達成するごとに新しいものを追加していく方式のようで、現時点では2つが達成済みで、3つ目に挑戦中です。

カーンカードの追加:$14,000 (達成済み)

標準の5大部族に加えて、プラックスの独立10部族のうちから以下の5部族のカーンカードが追加されます。アートがどれも素敵。

マップボードの追加: $17,000 (達成済み)

ゲームの際にテーブルの中央に置いて使用するマップボードが追加されます。

カードの追加: $20,000 (挑戦中)

10の地域のそれぞれに独特なカードが1枚づつ追加されるということです。例えば「影の踊り(Shadow Dance)」には「トロウル・バーサーカー」が追加される予定とか。画像はまだ公開されていませんが楽しみです。

金額が増えれば、また新しいストレッチゴールが追加されそうです。

●キックスターターの注意

キックスターターに慣れた人になら言うまでもないことですが、キックスターターは予約購入サイトではなく、あくまで開発資金などを支援するためのサイトで、もしうまくいった場合に支援のお礼として報酬がもらえる仕組です。

報酬はあくまで予定であり、状況によっては変更されたり無くなったりする可能性もあるので留意する必要があります。中には資金だけ集めて連絡が取れなくなったりする詐欺に近いものもあるので実績など良く注意してください。その点、今回の Chaosium 社のチームは Moon Design 名義のものも含めて多数のキックスターターを成功させ、報酬を配ってきているので信頼性は高いです。

あと報酬の配布時期ですが、キックスターターの期日は全てが予想以上にうまくいった場合の希望的な推定だと思ってください。遅れるのはざらというか当り前です。経験上99%遅れます。2倍〜3倍遅れるのは当り前くらいに考えておくべきでしょう。今回のは準備がかなり進んでいるようで、完成度が高いようなので、そこまで遅れないのではないかと期待しています(願望)。

それでは、また

2016年10月12日水曜日

RQ2 Character Sheet (日本語)

最近は残念ながら RuneQuest 2版はほとんど遊んでいなかったのですが、再販を機会に再び遊びたいと思っています。

それで昔使っていた RQ2用のキャラクターシートを探したのですが、印刷した使用中のものしか見当たず、どうやら原本のデジタルデータを紛失してしまったようなのです。しかたがないので再度同じようなものを作成してみました。

今さらながらですが、日本語のキャラクターシートが欲しいという人が万一にもいるかもしれないので、「RQ2用のキャラクターシート(日本語PDF)」を公開します。

ダウンロード: RQ2_Character_Sheet_ja01.pdf

もし使ってみた人などいましたら良ければ感想など聞かせてください。 あと間違いとか改善点などあれば教えてもらえると嬉しいです。

2016年9月20日火曜日

RQ2 紹介 - 第04回 キャラクター作成 (荷重と装備)

なぜか第04回の記事が消えてしまっていたので Google Cache から救出して再掲します。

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キャラクター作成の3回目です。といっても後はだいたい所持金と初期装備を決めて買物をしたら終りです。今回は荷重のルールと初期装備について紹介します。


●荷重(Encumbrance)

ルーンクエストにおける荷重とは物の持ち運び難さを意味しています。単に重さだけではなく、大きくて嵩張るものは重量的には軽くても荷重としては大きいとみなします。

ルーンクエストにおける荷重の単位は "Thing" です。この "Thing" にはちょうど良い日本語訳があって「個」です。要は荷重は 1個、2個と数えるのです。

この辺の用語は RQ3 でも同じはずなのですがホビージャパンの RQ3 翻訳では"Thing" の訳語に「物」をあてたせいでわかり難くなっています。 ENC を荷重の単位と勘違いしている人もいるようですが、厳密に言えば ENC は荷重(Encumbrance)の略語であって単位ではありません。

RQ2 の荷重のルールは正確には以下のようになっています。

1) 片手で簡単に振り回せる物を「1個」と数える。片手で持てても振り回せない物(盾とか)、振り回すのに両手が必要な物(両手剣)や、それ以上重い物(鎧とか)は「2個」分とか「3個」分とかに換算する。

2) 軽い物は複数を合わせて「1個」に換算する。ダガーは4本で「1個」相当、袋に入れた銀貨100枚で「1個」相当など。

3) 各キャラクターは「STR」と「STRとCONの平均」のどちらか低い方の「個数」まではペナルティ無しで物を持ち運ぶことができる。

4) 無理をすれば上限の 1.5倍までは持ち運ぶことができるが、上限から 1個増えるごとに以下のペナルティを被る。
  • 移動クラス(Movement Class)が1減少する
  • 全ての行動のストライクランクが +1 される
  • 武器を含む全てのスキルが -5% される
  • 防御値(Defense)が -5% される

●貨幣単位

グローランサのファンの方々には今さら説明するまでもないことのですが、グローランサの貨幣の単位は以下のようになっています。

・金貨(gold coin)

金貨は「金輪の踊り手(Sun-Wheel Dancers)」という古えに滅びた種族によって導入された最初のコインとされおり、一般にホイール(Wheel)と呼ばれています。1枚で銀貨(ルナー) 20枚相当の価値があります。

・銀貨(silver coin)

銀貨はルナー帝国(Lunar Empire)によってグローランサに広められたため一般にルナー(Luanr)と通称されいますが、ルナー帝国内ではインペリアル (Imperial)、サーター(Sartar)ではソバーレン(Soverein), 多くのギルドではギルダー(Guilder)と異った名称で呼ばれることがあります。

・銅貨(copper coin)

銅貨はドワーフによって発明されたとされ、一般にはクラック(Clack)と呼ばれますが、単に銅貨(Copper)とだけ呼ばれることも多いです。10クラックで 1ルナー相当の価値があります。

1ルナーの価値がどれくらいかは RuneQuest や HeroQuest のバージョンなどによって様々なのですが、RQ2 ではルールブックに 1ルナーは第二次世界大戦前の US $5 に相当すると明記されいます。金銭価値なのでドルのインフレを考慮すれば現在の US $80 程度になると思われます。日本円ならだいたい 8,000円くらいでしょうか。


●背景(Background)

冒険者の出身を D100 をして以下の表で決めます。これによって初期装備や所持金が決まります。RQ3 に比べて、このありたりはとても単純なのですがダイス目によって初期所持金の違いが非常に大きいので、生まれによる格差を悲哀を感じることできます。

D100 背景 初期所持金
01-25農民/貧民 D100 ルナー
26-60町民 2D100 ルナー
61-85蛮族 D100 ルナー
86-95貧乏な貴族 D100×5ルナー
96-99裕福な貴族 D100×10ルナー
00 非常に裕福な貴族D100×20ルナー

ここでいう蛮族は RQ3 のような文化的な意味での蛮族ではなく、遊牧民や狩猟採集民のような非定住民を指しています。プラックスが舞台ならば騎獣遊牧民やポル・ジョニ族など、ドラゴンパスが舞台ならばグレイズランド人やテルモリ族などなどです。

ランダムに決めると農民をなることが多い RQ3 と違って 町民になる可能性が高くなっています。もちろん人口比がそうなっているという意味ではなく、町民の方が冒険者になる割合いが多いという意味で、RQ2 は冒険者を遊ぶゲームだからということのようです。

★ランタスの冒険

ランタスの背景表でのロールは 55 で町人の出身になりました。彼は成人するとすぐ親元を飛び出して冒険者になるべく戦士ギルドの門を叩きました。所持金ロールは 98 と 40 で 138ルナーが、その時の彼の所持金でした。

●初期装備

各キャラクター出身によらず以下の衣服と装備を持っています。

  シャツ、ズボンまたはスカート、サンダルまたはブーツ、
  下着、暖い外套または上着、被り物または帽子、
  ベルト・ナイフ、着火具

さらに出身ごとの以下の装備を所持しています。基本的な武器とはブロードソードやショートスピアのような各文化で一般的な片手武器を指します。グレートソードのような高価な武器は含まれません。

・農民の持ち物

  足罠(スネア)、水袋、基本的な野営用具(毛布など)、たいまつ

・町民の持ち物

  酒瓶、たいまつ、ランプ、ロープ、道具(くさび、木鎚など)

・蛮族の持ち物

  基本的な武器、革鎧、足罠(スネア)、ロープ、騎乗用具、
  調理器具、野営用具(テント、毛布など)、一週間分の保存食、
  騎乗動物(20%の確率で持っていない)

・貧乏な貴族の持ち物

  基本的な武器、両手用武器または射出武器、リングメールの胴着、
  オープンヘルム。成人まで実家から毎年資金援助を受けられる

・裕福な貴族の持ち物

  基本的な武器、両手用武器または射出武器、騎乗用具、
  チェインメイル/ブリガディンの胴着、
  チェインメイルのの籠手と脛当て、クローズヘルム、
  その他お金で買えそうなもの。
  成人後も実家から毎年資金援助を受けられる

★ランタスの冒険

ランタンスは町民の出身なので以下の装備を持って開始ます。
シャツ、ズボン、ブーツ、下着、暖い外套、帽子、ベルト・ナイフ、着火具、酒瓶、たいまつ、ランプ、ロープ、道具(くさび、木鎚など)

●信用借り(クレジット)

基本的なキャラクター作成はここまでで、後は初期の所持金で武器や鎧などの必要な物を購入して終わりなのですが、出身背景によっては全然所持金が足りなくて満足な武器すら買えません。パーティ内にたまたま金持ちのキャラクターがいれば借りることもできるのですが……

ということで多くのキャラクターは初期装備や呪文を購入したり、最低限の訓練を受けるために借金をすることになります。借金先はそのキャラクターが所属しているギルドやカルトです。

  • 戦士ギルド傭兵団は所属メンバーに STR×100L までの武具や武器の訓練を後払いで提供してくれます。
  • カルトはメンバーに POW×100L までの呪文の学習やカルトの専門スキルの訓練を提供してくれます。
  • 職能ギルドはそのメンバーにギルドのスキル訓練を提供してくれます。例えば盗賊ギルドはメンバーに DEX×100L までの盗賊スキルの訓練を後払いで提供してくれます。賢者ギルドならば INT×100L までの知識スキルや外国後会話などの訓練を提供してくれます。

冒険者が借金できるのはどこか一カ所からのみです。同じ街のギルトやカルトは互いに連絡を取りあっているので多重債務をすることはできないことになっています。

訓練などをツケ(後払い)で受けるだけでなく、ギルドやカルトから現金を借りて鎧などの装備を買うこともできますがその場合は基本的に倍返しになります。RQ2には疲労ルールがないので、借金を背負ってでも荷重上限まで鎧を着込むのが正解です。

★ランタスの冒険

ランタスが人並み外れた高い筋力(STR 17)を持つことを知り戦士ギルドは彼を喜ん仲間に迎え入れてくれました。さらに彼の将来性を買って最大で1700ルナーまでの前借りによる訓練を認めて くれました。彼はそのうち 350ルナー分で中古装備を譲ってもらい、1350ルナー分の訓練を受けることにしました。

ランタスはグレートソードに憧れており両手剣スキルを学びたかったのですが費用も時間も2倍かかると言われて諦め、まずは片手剣と中型盾の組み合わせで学ぶことにしました。彼はすぐにでも冒険に出かたったのです。

訓練の結果として彼の戦闘スキルは〈片手剣攻撃〉40%、〈中型盾受け〉35%に成長しました。初期所持金と借金を合わせて以下のような装備を揃えました。


荷重 ルナー
バスタードソード(片手剣) 1 75
ミドルシールド(中型盾) 2 30
厚革の胴着(胸と腹、下着用) 1 40
チェインメルのズボン(腹と両脚)3 120
チェイメイルの胴着(胸) 1 120
クローズヘルム(頭) 1 30
プレイトの腕甲(右腕) 1 50
クイルブーイの腕甲(左腕) 1/2 15
標準冒険者パック 2 7
--

合計 12.5487

彼は両腕にプレイトの腕甲を付けたかったのですが、資金が足りず右腕分しか買えず左腕はクイルブーイ(煮革)製のものになりました。彼は右腕だけのプレイト腕甲をとても気に入りピカピカみ磨き上げました。これが「銀の腕」という彼の二つ名の本当の由来です。

●前経験(Previous Expriment)

基本的なキャラクター作成は 16歳の成人したばかりのキャラクターを作成します。いわゆるレベル1 に相当するキャラクターなのでかなり弱々です。場合によってはもう少し経験を積んだキャラクターで開始したいと思うでしょう。そのような場合のために前経 験というオプションルールが準備されおり、5年間の追加の経歴を積んで鍛えられた 21歳のキャラクターを作成することができます。多くの場合はこのルールを使用するようです。

対象となる経歴は大きく分けて「徒弟」「傭兵」「蛮族」の 3種類です。徒弟はギルドや組合のメンバーとなってそのギルドのスキルの訓練しますが、戦闘スキルは「民兵」としての最低限の訓練しか受けることができま せん。傭兵は武器スキルを大きく成長させることができますが、それ以外のスキルや呪文についても戦闘に関係するものしか選択できません。蛮族は傭兵とよく 似ていますが武器スキルが少しだけ低いかわりに、傭兵より幅広いスキルと呪文から選択可能です。

出身ごとに選択可能な経歴は以下のようになります。


傭兵徒弟蛮族
農民
町人
蛮族
貴族


農民/貧民が徒弟になるためにはギルドごとの審査に合格しなければなりません。傭兵になるにも審査はあるのですが、ほぼ誰でも合格できる簡単なものです。貴族出身だと傭兵になるしかないのですが、これは地域の正規軍とかも経歴ルール上は傭兵とみなすためだそうです。

前経験の詳しいルールは基本ルールブックの付録にありますので参照ください。だいたい最も高い技能が 60% 前後のキャラクターを作成できます。

★ランタスの冒険

ランタスのプレイヤーとレフリーは相談して弱いキャラクターから成長させていく過程を楽しみたいと考え、前経験のルールは使用しないことにしました。それでランタスのキャラクター作成はこれで終りです。彼の戦闘用のパラメータは以下のようになりました。

バスタードソード(攻撃40%, 受け20%, 1d10+1, HP 20, SR 5)
ミドルシールド(受け35%, Ab 12)
頭(HP 4, Ab 5)
右腕(HP 3, Ab 6)
左腕(HP 3, Ab 3)
胸(HP 5, Ab 7)
腹(HP 4, Ab 7)
右脚(HP 4, Ab 5)
左脚(HP 4, Ab 5)

呪文を覚えていませんしカルトにも入信していません。それどころか予備の武器も飛び道具すら買えていませんが、このまま冒険に出発しましょう。何しろ彼のポケットには銀貨1枚しか残っていないのですから。(あと 2,050 ルナーの借金もあります)。
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今回でキャタクター作成については終りです。時間はスキルの判定と成長について説明する予定です。ちょっと時間が開くかも

2016年8月16日火曜日

Glorantha: The Gods War の kickstarter 開始

前々からアナウンスされていたボードゲーム Glorantha: The Gods War (グローランサ: 神々の戦い)のキックスターターでの資金募集が始まりました。



Kickstarter: https://www.kickstarter.com/projects/1816687860/the-gods-war

募集期間は2016年9月15日の午後10時(日本時間)までで、早期割引(Early Bird)とかも無さそうなので焦る必要とかは無さそうですが、最上位の Greater God は個数限定ですのでココは急いだ方が良いかもです。
【 8月17日追記: Greater God の人数制限は無くなったようです 】

このゲームはグローランサ世界の神話の時代を舞台に神々が覇権をかけて勢力争いをするという内容です。作者は Cthulhu Wars と同じく Sandy Petersen (サンディ・ピーターセン)です。サンディはクトゥルフの TRPG のデザイナーとして有名ですが、ルーンクエスト等の背景であるグローランサ世界についても原作者の Greg Stafford に次ぐ識者として知られています。

ゲームボード(グローランサの地図)

その Sandy Petersen がグローランサ神話を舞台にしたボードゲームの資金募集を kickstarter で開始しました。グローランサの神々や怪物たちが素晴しい立体フィギュアで再現され特殊能力を用いて戦うゲームです。ルールの骨格的には前作の Cthulhu Wars を踏襲していますが、手順が洗練されギミックにあふれ用語などがグローランサ風に修正されています。

基本ルール付属のフィギュア

●対象(基本セットとアドオン)

今回キックスターターにかけられるのは以下になるようです。多分、箱の絵は仮のデザインで実際の製品は違ったものになるのではないかと思います。

・The Gods War ($125)

  基本セット(マップ、ルールブック、基本4勢力にユニット、カードや得点ボードなど)

・Empires ($135)

  追加勢力セット(追加の3勢力〜4勢力のユニットとカード類)

・Elder Races ($100)

  古えの種族(エルフ、ダック、ドワーフ、ドラゴニュートなどの中立種族ユニット集)

・Monsters ($100)

  怪物たち(ドラゴンや怪物たちの母やクウィムなどの中立怪物ユニット集)

・Buildings ($60)

  基本セットや追加セットの厚紙の建物タイルを立体の建物フィギュアに置き換えるもの

・Battle Dice ($15)

  専用の戦闘ダイスセット


●支援レベル

上記を個別にアドオンとして頼むこともできますが、支援レベルは以下のようになっており上位の支援レベルにするとお得になっています。

Minion ($1)

   報酬無し (個別に頼む場合のベースにする)

Warrior($125)

   報酬: The Gods War (基本セットのみ)

Lesser God ($240)

   報酬: The Gods War と Empires (基本セットと追加勢力セット)

Hero ($450)

   報酬: 全部入り(The Gods War, Empire, Elder Races, Monsters, Buildings, Dice)
   おまけ: グローランサPDF集($150相当)
           嵐の王オーランスの透明フィギュア

Greater God ($1,000)

   報酬: 全部入り(The Gods War, Empire, Elder Races, Monsters, Buildings, Dice)
   おまけ: グローランサPDF集($150相当)
           嵐の王オーランスの透明フィギュア
           アラクニー・ソラーラ、英雄、大神、怪物たちのレジン製フィギュア

以上のようになっています。Greater God の $1,000 というのは置いておいて、Hero の $450 は超お買い得なので、資金に余裕があればここを頼むのが良さそうです。


●ストレッチゴール

キックスターター恒例のストレッチゴール(拡張目標)が今回もあるようです。これは応募金額の総計などによってコンポーネントが追加されたりアップグレードされていくもので、今回もかなりのものが準備されているようです(以下の内容詳細を参照)。


●内容詳細

各内容は以下のようになっているようです。詳細は実際の kickstarter のサイトを見てもらった方が早いのですが簡単にまとめておきます。「斜体のものはストレッチゴールを達成した場合に追加される可能性のあるコンポーネントです。

The Gods War (基本ルール)

  3〜5人用両面マップ、基本ルール、ダイス12個、得点ボードやルーンカードなど
  建物タイル(社、神殿、ジグラト、鉛の城、混沌の巣)
  「闇」勢力(トロウルx4、女王(クラグスパイダー)、シェイドx3、地獄の母カイガー・リートール)
  「天空」勢力(アーチャーx4、皇帝、フェニクスx3、太陽神イェルム)
  「混沌」勢力(ブルーx6、太母セッド、病の貴夫人マリア、狂神ラグナグラー)
  「嵐」勢力(蛮族x4、チャンピオン、雷鳴の兄弟x3、嵐の王オーランス)
  プラスティック製の忘却マーカー(7色)、ドラゴンカウンター、プラスティック製の勝利点マーカーとパワーマーカー、狂神マーカー、追加ダイス8個、怪物カウンター。

Empires

  「大地」勢力(斧の乙女x4、ベヒモス、大地の女王x6、巨神x2(ゲナートとパマールト))
  「見えざる神」勢力(騎士x4、魔道師x4、スペクターx4)
  「海」勢力(人魚x4、クラーケン、大海蛇x3、攪拌する者マガスタ)
  「月」勢力(暗殺者x4、クリムゾン・バット、セレーネx3、赤の女神セデーニア)
  プラスティック製の大地の結婚指輪(7色)、6〜8人用マップ


Elder Races

  ダックx3、ドワーフx3、エルフx3、ボグルx3、スコーピオンマンx3、ヴェイデル人の襲撃者x3、ルアーサの半神x3、斥候ドラゴニュート、メイドストーン・アーチャー
  ウェアタグ人のドラゴン船x3、人ならざる王ドラゴニュート、巨人、尾を持つ司祭ドラゴニュート、スラージx3、戦士ドラゴニュート、貴族ドラゴニュート。

Monsters

 ブラックドラゴン、レッドドラゴン、ブラウンドラゴン、怪物たちの母、クウィム、空飛ぶ脅威。
 ジャガーノート、 レビアタン、怪物たちの母の落し仔の群トークン、アンドロギュウス。

Buildings

 建物フィギュア(社x30、神殿x15,ジグラトx5、混沌の巣x6、鉛の城、城x3と塔x3)
 闇ジグラト、 海ジグラト、月ジグラト、大地ジグラト、嵐ジグラト、天空ジグラト。

Battle Dice

 戦闘ダイス12個、追加戦闘ダイス8個。

グローランサPDF集

  Guide to Glornatha 2分冊(百科事典的なもの計800ページ)
  Argan Argar Atlas (グローランサ地図帳)
  King of Sartar (『グローランサ年代記』の新版)
  Glorious Reascent of Yelm (ダラハッパ神話集)
  Fortuante Succession (ダラハッパの歴史)
  Heortling Mythology (オーランス神話集)
  Entekosiad (ペローリア神話集)
  Arcane Lore (西方、東方、南方の神話集)
  Middle Sea Empire (神知者帝国の歴史)
  History of the Heortling Peoples (オーランス人の歴史)

  ※これらの電子書籍は舞台設定的なものなのでボードゲームには直接関係ありませんが、グローランサ世界について詳しく知りたい人向けです。RPG でルーンクエストなどを遊ぶ人も最初の二つはお勧めで手に入れる価値があります(英語ですけど)。残りはかなり難解でマニアックな本になります(個人的には全部持っているので、ちょっと悔しい)。

透明フィギュアとレジン製フィギュア

  ゲーム用の駒と同じ型から別素材で形成したもの。
  ※全ユニット分あるわけではなく一部の大型ユニットだけでゲームに使用する目的ではなく飾っておく用の「おまけ」だと思います。


●送料

支援金額とは別に後から送料が必要になります。送料はその時の時価になるので正確には不明なのですが、現時点での見積りだとアジア向けは基本セットだけで $50、全部入りで $100 程度が示されています。(一見高いですが、重量から言ってこの通りならば結構格安です。ストレッチゴール達成で増加する重さ分も考えて高めに見積っておいた方が良いかもしれません)


●キックスターター注意点

キックスターター(Kickstarter)利用に慣れた人ならば言うまでもないことですが、キックスターターは商品の前払い予約ではなく、あくまでもプロジェクトへの資金援助とそのお礼の仕組みです。このためプロジェクトが変更になれば予定されたもの違うものになるかもしれませんし、プロジェクトが失敗すれば製品が入手できない危険があります。なので支援するかは自己リスクで判断する必要があります。(個人的には Sandy Petersen は Cthulhu Wars で kickstarter を完遂した実績があり、かなり信頼できると考えています)。

また配送予定は 2017年8月となっていますが、これは全てが非常にうまくいった場合の願望的な日程であり、ほとんどの場合はこの日程どおりにはならず半年から1年以上遅れるのはザラだということも覚えておいてください。

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以上、非常に楽しみなのですが、入手はいつになることやら。


2016年6月29日水曜日

RuneQuest Classic Edition 到着

RuneQuest Classic Edition (ルーンクエスト第2版の再販版)が、続々と日本にも到着しているようです。私の所にも到着しましたので簡単に紹介します。


世界中から入手方向が上がっていて羨しく思っていたのですが、ようやく私のところにも RuneQuest Classic 版が到着しました。昨年末に kickstarter で募集してから半年で到着なので kickstarter としては例外的に早いのですが 3月頃には入手可能との期待もあったためかなり待たされた気分です。

輸送用の箱詰めは以下のようにダンボール箱が二重になっていてとても頑丈で痛み難いようになっていました。私は全部入りを頼んだのですが今回は一般的なもののセットが届いたようです。

 


まずはハードカーバー版とGMスクリーンとプレイヤーハンド冊子のセットです。


ハードカーバー版はかなりしっかりした製本で実用的なつくりですが、GMスクリーン(黄色)は昔の復刻を優先したらしく、かなりペラペラの紙なので実用にするにはちょっと物足りない感じ。


次はハードカーバー(皮革風表紙、ダストジャケット付き)版、GMスクリーン、プレイヤー冊子のセットです。写真は中身がわかりやすい用にダストジャケットを外したところです。GMスクリーンは色違いですね。


中身的には同じものなのですが、ハードカバー(通常)版は少し安くて実用的、ハードカバー(合皮)版はちょっと高くて格好良いです(見せびらかすのに最適?)。
(もっとも最近は iPad Pro に入れたPDF版が一番実用的という話しがありますが)


そして、これらが Old School Source Pack の5冊です。


一番下にあるのはRuneQuest最初のシナリオ本(単純なダンジョンもの)、赤青橙はモンスターなどの能力値を振っただけの本(意外と実用的)の復刻ですが、一番上の緑色、The Sea Cave は新作、といっても当時作成中だったシナリオで未発売だったものを発掘したものです。ダンジョン・シナリオですが未完成のままで前半しかありません。いずれもコレクターアイテムですかね。


新版と旧版のハードカバー版を比較してみました。さすがに30年以上の差は一目瞭然ですね。


今回の Classic 版は単純な再販ではなくエラッタ適用済みの再編集版です。グローランサ的な意味での新情報はほぼないのですが、年表だけは 1613年から 1627年のアーグラス戴冠にまで進んでいます。


写真わかり難いかな? クリックして拡大して見てください。
それではまた

2016年6月22日水曜日

RQ2 紹介 - 最終回 精霊とシャーマン

今回でRQ2紹介の連載記事も最終回です。最後は精霊とシャーマンのルールについて説明します。


●生命と精霊

グローランサにおいて生命は「肉体(Body)」と「精霊(Spirit)」より構成されているとされています。この「肉体」と「精霊」が切り離された状態が死とされます。この離れた精霊に肉体に戻るよう説得するのが《蘇生》魔術だったりします。

精霊が切り離されたの肉体はただの物質に戻るのでやがて腐っていきます。何らかの魔術により精霊が離れたにもかかわらず活動を停止せず動き続けている肉体が「アンデッド(Undead)」です。

一方で肉体を離れた精霊は地界へと引きよせられて死後の世界へと旅立って行きます。この死者の精霊が地界へ行かず強い感情や魔術などによってこの世に留まり続けているのが「幽霊(Ghost)」です。そういう意味でグローランサでは幽霊(Ghost)は精霊の一種でありアンデッドではありません。それで幽霊は《精霊探知》に反応しますが《アンデッド探知》には反応しません。

この死者の霊以外にも精霊界には最初から肉体を持たない半生命である精霊たちが多数棲息しており魔術や契約などによりこの世界に召喚されます。


●精霊の能力値

精霊は肉体を持たないため STR, CON, SIZ, DEX の能力値を持たず能力値としては INT と POW を持ちます。精霊の中には CHA を持つものもいます。平均的な精霊は INT 3D6、POW 3D6+6 を持っています。精霊の DEX が必要となった場合は計算の上 20 とみなします。精霊も POW を成長させることができますが、その確率は固定で 5% しかありません。


●精霊の知覚

精霊は視覚や聴覚を持たないため物質界を感知することができませんが、独自の感覚を持っています。精霊は自分の POW×10メートル以内にいる他の精霊(生命)の POW の存在を感じ取ることができます。

POW×1メートル以内の近づけば、POWの大きさを10ポイント単位で知ることができます。さらに対象の POWが精神結合(Mind Link)しているかとか、どのルーン(Rune)と関連を持っているかなども知ることができます(カルトまではわかりません)。この距離ならば《精霊の言葉(Spirit Speech)》を使用して会話することもできます。

対象の精霊(生命)に接触することにより、その POW, INT, CHA の値を正確に知ることができ、所属するカルトなども知ることができ、対象に精霊戦闘(Spirit Combat)をしかけることも可能です。

精霊知覚は肉体を持たない精霊状態の時にのみ使用でき、クリスタルや動物に呪縛された精霊は精霊知覚を用いることはできません。


●精霊戦闘(Spirit Combat)

精霊は対象の精霊(生命)に接触することにより精霊戦闘をしかけることができます。肉体を持つ者が精霊戦闘をしたい場合には何らかの方法により精霊の正確な位置を知っている必要があります(通常はは司祭やシャーマンに見つけてもらいます)。そしてその位置に対して挑戦の意志を示せば、多くの精霊はそのオーラを読み取って精霊戦闘に乗ってきます。

精霊戦闘が始まると一時的に精神結合(Mind Link)等のつがなりは使えない状態になり、呪縛している精霊等も使用できなくなります。このため自分自身の生の POW だけで戦わなければなりません。

精霊戦闘中でも自分の精霊攻撃をあきらめて一方的に攻撃されることを受け入れるのならば、通常の戦闘行動や移動などを行なうこともできます。もし何らかの方法(テレポートなど)で精霊から遠くに逃げたり、精霊を制御しているシャーマンを殺すことができれば精霊戦闘は終了します。

精霊戦闘は同時にそれぞれが POW対POWの対抗ロールでを攻撃を行ないます。それぞれ対抗ロールに勝利すれば以下のうちから、いずれかの効果を選択できます。効果のうち番号の小さいものが先に効果を発揮します。

1. 離脱
精霊は対抗ロールに成功すれば精霊戦闘を終了して安全に離脱することができます。肉体を持つ者は移動速度が精霊に比べて遅いため逃げ切ることができず、この選択はできません。

2. ダメージ
対抗ロールに成功すれば相手の精神(POW)にダメージを与えて弱らすことができます。D100 を振って以下の表の値だけ相手の POW を減少させます。この POW ダメージは呪文の時と同じく一時的なもので時間がたてば回復しますが、もし POW がゼロになったらこの世から消滅します。

D100 POW減少     
01-103 point
11-402 point
41-001 point

3. 捕縛
肉体を持つ者と精霊が戦闘している場合に、相手よりも自分の現在の POW が大きければ相手を捕縛する試みが行なえます。再度 POW対POW の対抗ロールを行って勝利するれば以下の効果を適用できます。

精霊が肉体を持つ者の捕縛に成功した場合は、相手の魂を肉体から追い出して精霊がその肉体に憑依することができます。その後精霊は肉体を持った完全な生物として行動できます(レフリーがNPCとして行動させます)。追い出された方は精霊になります。

肉体を持たった者が精霊に捕縛に成功した場合には《精霊呪縛(Spirit Binding)》を使用して精霊をクリスタル等に呪縛することができます。


★ランタスの冒険

シャーマンのバリ=ダの手掛りを探して廃墟を冒険中だったランタスは、バリ=ダの仕掛けたブービートラップの精霊に襲われます。襲ってきた精霊の POW は 20、ランタスの現在の POW は 13 ですが、このような事態を想定していたランタスは予め《精霊盾(Spirit Shield) 3》 の呪文を自分にかけていました。このおかげで精霊の POW は 6ダメージを受けて 14 に減少します。

最初のラウンドはランタスの攻撃成功率は 45%、精霊の攻撃成功率は 55% です。両方が攻撃成功してランタスの POW が 1、精霊の POW が 1 それぞれ減少しました。

次のラウンドもランタスの攻撃成功率は 45%、精霊の攻撃成功率は 55% です。うまくランタスのみが攻撃成功しダメージのダイス目も 08、精霊の POW が 3 減少しました。これでランタスの POWが 12、精霊の POW が 10 になり逆転しました。

次のラウンドは双方失敗、その次のラウンドはまた両方が成功しランタスはの POW はまた 1減少しましたが、ランタスは精霊の POW を減らすかわりに捕縛を試みることにしました。再度 POW vs POW ロールを行ない 55%以下を出して勝利し、精霊をクリスタルの中に呪縛することに成功しました。


●精霊の呪縛(Bound Spirit)

上記のように精霊戦闘に勝利して精霊を捕縛すれば戦闘呪文の《精霊呪縛(Spirit Binding)》を使用して精霊をクリスタルやカルトで特別に育てられた聖なる動物の中に呪縛できます。

この精霊は術者の生命力で物質界に留められており、術者が死亡したり他の精霊に憑依された場合には精霊はただちに解放され精霊界に帰ってしまいます。例え神性介入などでただちに生き返ったとしても間に合いません。ただしシャーマンのみは死から自力復活できなかった場合にのみ精霊が解放されます。

一人が安全に呪縛可能な精霊の数は CHA÷3(端数切捨て)までです。それを超えた場合や何らかの理由で CHA が下がって足りなくなった場合には、最初にそれぞれの精霊を使用する際に CHA×5 ロールをする必要があり失敗すると精霊は術者を攻撃してきたり、術者より POW が少なければ逃げ出したりします。


●呪縛した精霊の能力

呪縛した精霊は術者とテレパシー的につながっていて、その接続は 5km まで保たれます。それを超えると切断され精霊は解放されてしまいます。この接続は術者か精霊のどちらかが精霊戦闘中は一時的に使えなくなります。

呪縛した精霊の INT を使って記憶できる呪文の数を増すことができます。誰でも自分の知っている呪文をテレパシー経由で呪縛している精霊に自由に教えることができ、教えた呪文は自分が記憶しているのと同様に使用できます。

呪縛した精霊の POW を呪文を唱える際の魔力として使用することができます。呪縛された精霊自身に呪文を使用させることはできませんし、呪縛された精霊は自ら精霊戦闘をしかけることもできません。

クリスタルに呪縛された精霊は外界を感知することはできませんが、動物に呪縛した精霊は使い魔(Familiar)として使用でき、呪縛者はその耳や目を通して知覚したり、命令して戦わせたりすることができます。呪縛した動物が死亡した場合には精霊は解放されます。


●シャーマンの弟子

シャーマン(Shaman)になるためにはまずその弟子(Apprentice)になって学ぶ必要があります。

シャーマンの弟子になる

シャーマンは自分の所属する部族やカルトのメンバーのみを弟子として受け入れます。弟子として受け入れてもらえるか抽象的に判定するのならば D100 で CHA×5 以下を出せば成功です。

シャーマンの弟子の義務

弟子は全ての時間をシャーマンに仕えて過ごさなければなりません。シャーマンに従って精霊の種類を学んだり、儀式を行なって精霊界に行ったり、部族やカルトでのシャーマンの役割を学ぶことに全ての時間を費やします。このため弟子はスキルや能力値を訓練する時間は一切取れません。


●シャーマン

シャーマンはフェッチ(fetch)という特別な精霊を持っている精霊使いの専門家です。

シャーマンになる

シャーマンに 1年以上仕えた弟子は、その価値があることを示せばフェッチを獲得してシャーマンになる試練に挑戦できます。価値があることを抽象的に判定する場合には D100で (CHA + POW)÷2×5 以下を出せば成功です。失敗した場合にはさらに 1年間弟子として訓練しなければなりません。

フェッチを獲得するにはシャーマンと部族の聖地に行って儀式を行ない精霊を召喚して同盟を試みます。召喚された精霊は INT 3D6 と以下の表の POW を持っています。

D100 POW
01-102d6
11-353d6
36-853d6+6
86-954d6+6
96-005d6+6

さらにもう一度 D100 をして召喚した精霊の友好度を決めます。

D100
01-50友好(friendly)
51-90中立(neutral)
91-00敵対(malign)

召喚した精霊が敵対的だった場合にはただちに精霊戦闘で攻撃してくるため同盟はできません。友好的か中立だった場合には同盟してフェッチにする試みができます。候補者の POW+CHA と精霊の POW+INT で対抗ロールを行ない勝利すれば同盟してフェッチにできます。失敗し場合には友好的な精霊は立ち去りますが、中立の精霊は候補者の POW より大きければ精霊戦闘で攻撃してきます。どちらにしろ挑戦は一年に一度しかできず再挑戦のためにはもう一年弟子を続けなければなりません。

シャーマンの責務

1. 部族やカルトの職務
シャーマンは部族やカルトの職務を行なう義務があり、訓練をする時間を取ることができません。職務を放棄した場合には部族やカルトの神々はからフェッチと精霊界の POW を取り上げてしまいます。

それでシャーマンは訓練時間がないため戦闘スキルなどの DEXベースのスキルは DEX×5% まで低下します。訓練で上昇させることができず、経験によってのみ成長させることができます。能力値の訓練もできないので POW と CHA 以外の能力値は上昇できません。

2. 外見
シャーマン儀式用の派手な粧飾を身につけねばならず、魔術的にも強いオーラを放っているため、どこにいても非常に目立ってしまいます。

3. 部族やカルトへの献身
一度シャーマンになって精霊界と結びつけられると、部族やカルトから追放されて能力を失う以外の方法で辞めることはできません。

シャーマンの特典

1. フェッチ(Fetch)
シャーマンはフェッチという特別な精霊を持っており、その能力を使って精霊界を旅することができます。

2. POW の蓄積
シャーマンは POWを精霊界に蓄積しておくことができます。精霊界の POWはスキル修正値や HP などを計算する場合には無視します。

精霊界にある POWは 1ポイントにつき 5分間瞑想することで肉体に戻すことができます。呪文などで消費した一時的な POW は 「肉体のPOW + 精霊界の POW」 の速度でまず肉体、その後に精霊界の順に回復します。シャーマンが精霊戦闘をする場合や精霊と対抗ロールする場合は肉体のPOW と精霊界のPOW の合計使用することができます。

3. POW の成長
シャーマンは (25 - (肉体のPOW + 精霊界のPOW))×5 で POWの成長ロールを行なうことができます。さらに POW合計が 25 以上ある場合でも 5% の確率で成長させることができます。フェッチの POW も同じ確率で成長します。

4. 病気の治療
シャーマンは適切な儀式を行なって手をかざすことにより病気の治療を行なうことができます。シャーマンが D100 で(肉体のPOW + 精霊界のPOW)×5 以下に成功すればその病気を治すことができます(必ず 5%の失敗の可能性は残ります)。失敗した場合はシャーマン自身が病気に曝されることになります。

5. 死からの帰還
シャーマンは死後 1時間以内ならば自分の死体に《治癒(Healing)》呪文をかけて HP をプラスにまで回復できれば生き返ることができます。この時に呪文に使用した POWは永久的に消費され回復することはできません。死んでいる間にできるのは《治癒》呪文の使用だけであり、死体が焼かれたり食べられたりして治癒できない場合には復活することはできません。

6. 精霊と契約
シャーマンは精霊界に出掛けて行って精霊と取引して自分に従うようにすることができます。精霊界は非常に危険な場所ですがフェッチの能力により精霊戦闘中以外ならば、シャーマンはいつでも肉体に戻ることがきます。

どのような精霊と出会うかは以下の表で D100 をして決めます。

D100 POWINT
01-101d6 1d3
11-202d6 1d6
21-353d6 2d6+3
36-753d6+6 3d6
76-904d6+6 3d6+3
91-955d6+6 3d6+6
96 6d6+6 3d6+6
97 7d6+6 3d6+6
98 8d6+6 3d6+6
99 10d6+63d6+6
00 無限

さらにD100をして 96-00 が出た場合は敵対的なカルトや部族の精霊であり、精霊がシャーマンより大きな POWを持っていた場合はただちに攻撃してきます。精霊が敵対的でない場合は精霊の POW÷10(端数切上げ)以上の POW を与えることにより契約することができます。与えた分の POW は永久的に失われ、その分だけ精霊の POW が増加します。

シャーマンが契約して制御下におくことのできる精霊の数は精霊界に貯めている POW のポイント数までです。何らかの理由で精霊界の POW が減少した場合には足りない分の精霊は解放しなければなりません。シャーマンが死亡して復活できなかった場合には全ての契約している精霊が解放されます。

7. 部族やカルトからの援助
シャーマンは部族やカルトから全面的な支援を受けており、族長の次に尊敬されています。敵に捕えられれば救出や身代金などの手配をしてもらえます。


●契約した精霊の能力

取引して制御下においている精霊は呪縛した精霊と同様に、精霊の POW を呪文を唱える際の魔力として使用できますが、精霊の INT を呪文を覚えさせるために使用することはできません。

制御下にある精霊に呪文を使用させることはできませんが、精霊はクリスタル等に封じられているわけではないので命令して精霊戦闘をさせるこができます。

シャーマンが呪文に使用したり精霊戦闘でダメージを受けたりして制御している精霊の現在の POW が 3以下に減少すると取引が終了し精霊界へと帰って行きます。精霊戦闘で相手よりも POW が 5以上少なくなってしまった場合も同様です。


●フェッチの能力

シャーマンは呪縛した精霊と同様にフェッチの INT や POW を呪文を記憶したり呪文のための魔力として使用することができますが、それだけでなくフェッチ自身がシャーマンの感覚を使って物質界に呪文を投射したり、自ら精霊戦闘をしかけることもできます。

シャーマンが精霊界に出掛けている間、フェッチシャーマンの肉体を護るためにそれに宿って使用します。フェッチはスキル等も完全にシャーマンと同じように行動することができますが、呪文を唱える場合などの POW はフェッチ自身のものを使用しなければなりません。フェッチの POW がシャーマンの種族上限を超えている場合は肉体に宿っている間は種族上限までしか使用できません。


●フェッチの名前について

「フェッチ(fetch)」はホビージャパンの RQ3 の翻訳では「魔精」と訳されていました。魔精という日本語は一般的ではないと思うので訳者の造語なのでしょう。"fetch" を辞書で引いても簡単な辞書だと「取って来る」のような意味しかないため「魔術の精霊」くらいの意味で意訳したのではないかと思われます。

大きな辞書には載っているのですが、実際にはこの fetch はイギリスやアイルランドの民間伝承にある妖怪の名前です。より古い本来の呼び方では  fetch life  らしく「生命を奪って行く者」のような意味です。伝承ではこの妖怪は「自分とそっくりな外見をしており出会うと死んでしまう」と伝えられています。そうですね。これはよく知られているドイツのドペルゲンガー(Doppelganger)と同様の妖怪です。

グローランサの fetch はシャーマン本人と瓜二つの外見をした精霊なのでこのような名前で呼ばれているのだと思います。元が妖怪の名前なので、この連載ではカタカナで「フェッチ」としておきました。


●終りにあたって

今更ながらに RuneQuest 2版を紹介するという企画でしたが、どうにか予定していた最後まで書くことができました。どこまで詳しく書くか少し悩んだのですが古いゲームなので、かなり詳細に解説しても問題ないだろうと考え、プレイヤーとして遊ぶのに必要なルールのほぼ全てを紹介したつもりです。敢データ類や、モンスターや財宝などのゲームマスター向けのルールは書いていませんので、レフリーをする場合には是非ルールブックを買って読んでもらえればと思います。

今回は RQ2 の基本ルールブックにあるもののみの紹介でしたが、グローランサの楽しさを満喫するためには Cults of Prax が必須だと思います。レフリーなら Cults of Terror もあった方が良いでしょう。どちらもこれを書いている時点で入手困難なのが難点ですが、近々復刊されることが決まっているのでもう少し待つと入手可能になると思います。

それでは長い記事にお付き合いありがとうございました。良ければ感想など聞かせてください。

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以上、RQ2 やその他 RuneQuest や Glorantha が盛り上がることを願っています。

2016年6月21日火曜日

RQ2 紹介 - 第12回 カルト(ルーン司祭、大司祭)

前回に続いてルーンカルトについて説明します。今回はルーン司祭や大司祭などの位階について説明します。


●ルーン司祭(Rune Priest)

ルーン司祭(Rune Priest)はカルトの霊的な指導者です。またカルトの持つ魔術の力の担い手でもあります。

ルーン司祭になる
ルーン司祭になるためには以下の3つの条件を満たす必要があります。
  • そのカルトの評判の良い入信者であること
  • POW が 18 以上あること
  • 母国語の読み書きができること
さらに試験に合格してカルトの試験官を納得させる必要があります。試験の内容はレフリーが作成しますが、抽象的に済ませたい場合には入信の際と同じ以下の判定を使用します。

   D100 で (POW + CHA + [寄付金 / 100L])÷3×5 以下を出す。

母国語の読み書きという条件ですが、グローランサには文字文化を持たないカルトも多数あり、その場合にはかわりにカルトの特別な言葉のスキルが一定以上あることが求められるのが普通です。例えばストーム・ブルの司祭〈獣の言葉(Beast Speech)〉80% 以上、冒険神オーランスの司祭風の声ならば〈嵐の言葉(Storm Speech)〉90% 以上が要求されます。

ルーン司祭の責務

1. カルトへの責任
ルーン司祭は神とカルトに責任を負っており、ある程度の自由はあるものの、緊急の場合には個人よりもカルトを優先して行動し、招集に応じなければなりません。

2. カルトへの援助
ルーン司祭もルーンロードと同様に収入の九割をカルトに寄付しなければなりません。また発見した魔法の道具などのうち自分で使用しないものはカルトに納めなければなりません。

3. カルトの日常職務
ルーン司祭は自分の神殿の大司祭の命令に従う義務があり、神殿の日常の業務を行なうためにほとんどの時間を費やさなければなりません。

このため司祭には戦闘スキルなどの DEX ベースのスキル訓練を行なう時間が取れないため、それらのスキルは DEX×5% まで低下します。またそれらのスキルを訓練で成長させることができず、司祭になった後は経験によってしか長させることができません。同様に能力値も STR, CON, DEX を訓練することができず、POW と CHA しか成長しません。

4. 魔力(POW)の維持
ルーン司祭は魔術の力を維持する義務があり、自主的に POW を 18未満に下げることは許されません。このため入信者と同じ方式の神性介入を求めることもできません。もし何らかの理由て強制的に POW が 18未満に下げられた場合は休職中の扱いになり、再び POW が 18以上になるまではルーン魔術の再取得ができなくなります。

ルーン司祭の特典

1. ルーン魔術の使用
ルーン司祭はルーン魔術の呪文を再使用することができます。入信者の時に覚えた呪文でも司祭になった時点で再使用可能になります。司祭は POW を 18未満に下げられないため POW 19 以上なければ新しい呪文を取得できません。

2. ルーン魔術による神性介入
ルーン司祭は一回限りのルーン呪文の形であらかじめ準備しておくことにより、高い成功率で神性介入を求めることができます。

3. POW の成長
ルーン司祭は通常の (21 - POW)×5 ではなく (25 - POW)×5で POWの成長ロールを行なうことができます(つまり成長ロールに +20% ということです)。ただし種族上限値(人間なら21)を超えることはできないので、成長した分は全てルーン呪文の獲得に当てるのが普通です。

4. 同盟精霊
ルーン司祭にもルーンロードと同様にカルトが同盟精霊(Allied Spirit)を与えてくれる可能性があります。同盟精霊に関しては前回のルーンロードの記事を参照ください。

5. 追加の訓練
カルトはルーン司祭がその職務を遂行できるように知識(Knowledge)系のスキルと〈雄弁(Oratory)〉スキルの訓練費用を肩代わりしてくれます。この費用は後から返済することが期待されています。

6. 食事と救援
カルトはルーン司祭に対してルーンロードと同様に食事と部屋と提供してくれますし、必要ならば装備なども提供してくれます。また捕虜になった場合には身代金は救援の手配を行なってくれます。

ルーン司祭の退任

誓いを破ったりカルトへの義務を放棄したルーン司祭はカルトから追放され持っているルーン魔術呪文を全て失います。罪状によっては神がさらなる神罰を与えるかもしれません。一度追放されるとカルトに戻ることはできません。

カルトを離れるのでなく、戦闘スキルの訓練する目的などで一時的な活動休止を願い出ることもできます。大司祭が休暇の許可を出すかを抽象的に判定する場合には入信試験と同じ以下の判定を使用します。

   D100 で (POW + CHA + [寄付金 / 100L])÷3×5 以下を出す。

この時の寄付金は自分の 10% の収入の中から出さなければなりません。活動休止の期間は最長で 1年を超えてはなりません。活動休止期間中でもルーン呪文の再使用はできますが POW 成長の特典は失われます。

★ランタスの冒険

ランタスは友人のグリカにも力をつけるためルーンロードを目指すよう進言しますが、グリカは生まれながらに高い魔力(POW 16)を生かすために、ブルのルーン司祭を目指すことにします。2年間の冒険でグリカの POW は 18 に成長しているため、あとは〈獣の言葉〉を 80%以上に成長させれば司祭の条件を満たすことができます。彼の上司や先輩たちは言葉を教えるのに熱心ではないため、グリカはアイリーサの女祭の所に通ってそのスキルを学ぶことにしました。〈獣の言葉〉を覚えたならば、一人で混沌の怪物たちと戦うという司祭になるための試練が待っています。


●ルーンロード司祭(Rune Lord-Priest)

条件を満たせばルーンロードはからルーン司祭に転身することもできます。ルーンロードから司祭に転身した人はルーンロード司祭(Rune Lord-Priest)と呼ばれます。

ロード司祭になる

ルーンロードが POW を 18 以上に成長させ、その他のルーン司祭の条件も満たして希望すればルーンロード司祭になれます。

ロード司祭の責務

ロード司祭は基本的に司祭なのでルーン司祭と同じ責務を持ちます。例外として戦闘スキルなどの DEX ベースのスキルは現在の値から低下しなくて済みます。ただしそれ以後は通常のルーン司祭と同じく時間がないため DEXベーススキルや能力値を訓練することができなくなり、経験でしか成長させることができません。

ロード司祭の特典

1. ルーンロードの能力
神の加護によりルーンロード時代に成長させたスキルはそのまま高い値をすることができます。また神性介入以外のルーンロードの特典を維持することができます(神性介入は司祭方式になります)。

2. ルーン司祭の能力
新たにルーン司祭の全ての能力を獲得できます。ただし同盟精霊は 1人につき1体までなので、ルーンロード時代に同盟精霊を獲得していた場合にはさらなる同盟精霊を獲得することはできません。


●主任司祭(Chief Priest)

以下の条件を満たしたルーン司祭は大司祭の元を離れて独立する権利を得ます。
  • 再使用可能なルーン呪文を15ポイント以上持っている
  • 《神託(Divination)》の呪文が 5ポイント以上ある
  • カルトの知識系(Knowledge)スキルのうち 3つが 90%以上ある

主任司祭になる

上記の条件を満たしているにもかかわらず神殿に残って大司祭の権威の元に留まり続けているルーン司祭は(空席があれば)特別な地位が与えられ主任司祭(Chief Priest)と呼ばれます。

主任司祭という用語は RQ3 では使用されないので耳慣れない人も多いかもしれませんが、例えばイェルマリオのカルトの説明にある「光の将(Light Captain)」や「光の導き手(Light Guide)」などの大司祭を補佐する役職付き司祭がこの主任司祭にあたります。

主任司祭の特典

主任司祭になると他のルーン司祭に命令する権限が与えられ、カルトの日常的な職務から解放されます。このためある程度時間が自由になるようになり望むならば DEXベースのスキルや能力値などを訓練で成長させることができるようになります。他にもカルトによっては主任司祭以上の者にのみ使用可能なルーン呪文が存在していたりします。


●ルーン司祭ロード(Rune Priest-Lord)

主任司祭などの日常業務を免除された司祭がスキルを成長させてルーンロードの条件を満たした場合には「ルーン司祭ロード(Rune Priest-Lord)」になれます。司祭ロードはルーン司祭とルーンロードの兼務であり両方の能力を同時に獲得できます。前述のロード司祭(Lord-Priest)と名前や能力が似ていますが微妙に別物なので注意してください。


●大司祭(High Priest)

神殿(Temple)の指揮を執っている最上位の司祭は「大司祭(High Priest)」と呼ばれています。大司祭は各神殿ごとに一人だけ存在します。

大司祭になる

大司祭になるには以下の二つの方法があります。

1. 前任の大司祭の跡を嗣ぐ
神殿の大司祭が死亡したり隠退した場合には、残された(主任)司祭の中で最も経験を積んだ者が跡を継いで次の大司祭になります。多くの場合は順番を何十年も待つことになります。

2. 新しい神殿を建立する
上記の主任司祭の条件を満たしたルーン司祭は大司祭の許可を得て独立することができ、信者を集めて新しい神殿を建てることができればその神殿の大司祭になれます。

大司祭の特典

1. 権限
大司祭は神殿の最上位の存在で神にのみ責任を負い誰の命令にも従う必要はありません。信者を入信させて独自の信者や司祭を持つことができます。

2. 資産
大司祭はカルトに収入の九割を納める必要はありません(大司祭は実質神殿の所有者です)。

3. 自由
大司祭は自分の裁量で時間を自由に使うことができます。DEX ベースのスキルや能力値の訓練も可能です。このためルーンロードの条件も満たしてルーンロードを兼務していることも一般的です。


●昇進パス

カルトの位階と昇進パスをまとめて図にする以下のようになります。小さなカルトではルーンロードや主任司祭は空席の場合もあります。



●多重入信

カルトへの入信は原則として一つだけですが、それぞれのカルトの大司祭の許可を得ることができれば複数のカルトに入信することができます。許可を抽象的に判定する場合には入信試験と同じく以下の判定を使用します。

   D100 で (POW + CHA + [寄付金 / 100L])÷3×5 以下を出す。

司祭が多重入信した場合には、二つ目以降のカルトでは助司祭(AssociatePriest)として扱われます。助司祭は食事や部屋は提供してもらえますが、身代金や救出の手配はしてもらえません。助司祭は収入の九割を納める義務がないかわりに、ルーン呪文を学ぶ場合には 1ポイントあたり 1000ルナーの寄付金が必要になります。

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以上、今回はルーン司祭とさらに上位の役職について説明しました。次回は最終回の予定で、精霊とシャーマンについて説明します。

2016年6月20日月曜日

RQ2 紹介 - 第11回 カルト(入信者、ルーンロード)

今回はルーンカルト(Rune Cult)について説明します。長くなったので2回に分割して、今回は平信者、入信者、ルーンロードについて説明します。RQ2 のルーンロードは RQ3 のようにルーン呪文の再利用はできませんが、それ以外の特典が満載で非常に強力なキャラクターになっています。


●ルーンカルト(Rune Cult)

グローランサにはオーランス(Orlanth)のような大神から、家族の先祖神のような小さな神まで様々な神を信仰する宗教集団が存在しており、これをルーンカルト(Rune Cult)と呼びます。神々の信仰を通してルーンカルト内で昇進し、ルーンの力を身につけることが人生の目的の一つとされます。ルーンクエスト(RuneQuest)というゲームのタイトルも元々はここから来ています。


●平信者(Lay Member)

各カルトにおいて最下層の参加者は平信者(Lay Member)と呼ばれます。平信者は基本的にカルトの構成員ではなく外部メンバーとみなされます。平信者は有料でカルトからのサービスを受けたり、カルトの一般的な礼拝に参加したりできます。

平信者になる

多くのカルトでは、特定の年齢に達しており出生地や種族などカルトごとに決められた緩い条件を満たす者は誰でも平信者として受け入れてもらます。通常はカルトから何らかのサービスを受けるごとに少額の寄付金を支払って一時的な平信者となります。

継続的な平信者

サービスを受ける毎に寄付金を支払って平信者になるのではなく、カルトごとに決められた特定の条件を満たすことにより「継続的な平信者」になることもできます。典型的な条件は毎週の礼拝に参加して一時的な POW を 1ポイント支払うことです。

継続的な平信者になると毎回の寄付が必要なくなります。この地位は入信者になるための準備段階とみなされ、カルトによってはカルトスキルやカルト戦闘呪文を教えてもらえたり、スキルの訓練費用が減額されるなどより深いサービスが得られることもあります。

★ランタスの冒険

ランタスは司祭オーランドの誘われて「冒険を愛する者オーランス」の聖日に儀式に参加して講話を聞き、オーランス神の平信者となりました。オーランス神は空気を呼吸する者なら誰でも平信者として認めてくれます。


●入信者(Initiate)

特定のカルトの神に信仰を捧げることによりカルトの入信者(Initiate)になれます。入信者はカルトの内部メンバーとみなされカルトの秘密を教えてもらえるようになります。

入信者になる

入信者になるために評判の良い平信者であること。そのカルトの入信者以上に推薦人がいることに加えて、カルトごとに定める特定の入信試験(または試練)に合格する必要があります。試験の内容はカルトごとに決まっていたり、レフリーが考えて決めますが、簡単に済ませたい場合には以下の一般判定を使用します。

  試験: D100 で (POW + CHA + [寄付金 / 100L])÷3×5 以下を出す。

RQ3 のように入信者になる際に永久的な POW を支払う必要はありません。

入信者の責務

ルーンカルトの入信者には以下のような責務があります。
  • カルトの神を信仰し神の威光を高めること
  • カルトのルーン司祭の指示に従うこと
  • 週ごとの礼拝に参加し一時的な POW 2ポイントを支払うこと
  • カルトに十分の一税を支払うこと
  • 時折カルトの業務に呼び出されて奉仕すること

入信者の特典

1. 神性介入
入信者は最大で1週間に一度、神に祈って神性介入(Divine Intervention)を要請することができます。D100 を振って POW 以下をロールすることにより神に助けてもらえますが、その時のダイス目と同じ POW を永久的に失ってしまいます。現在の POW と同じ数を振った場合には神性介入には成功しますが、信者の魂はこの世を去り神のもとへと召されます。

2. 制限付きのルーン魔術の使用
カルトの任務に行く場合の支援や、長年の間評判の良い入信者であった者への報酬として特別にカルトのルーン呪文を 1回限りで伝授してもらえます。元から再使用不可の呪文は教えてもらえません。

3. 特殊な訓練
入信者になるとカルトで教えるスキルの訓練費用が減額されたり無料になることがあります。さらにカルトによっては入信者以外に秘密にしている特殊なスキルやカルト戦闘呪文が存在しています。入信者になるとそのようスキルや呪文を教えてもらうことができます。

4. 食事と保護
多くのカルトでは入信者に対して食事と治療を提供してくれます。カルトによっては入信者が捕虜になった時の身代金を立て替えてくれる場合もあります。

★ランタスの冒険

ランタスはオーランス神の勇壮な神話を聞けば聞くほど、自分の守護神はオーランス以外にないと考えるようになって行きました、1年後オーランドが推薦人になってくれることもあってオーランスのカルトに正式に入信する決心をしました。レフリーは入信試験を簡単な判定ですませることにしました。ランタスはありったけの所持金 1100ルナーをカルトに寄付したおかげか入信試験に成功しました。ランタスの久し振りに会った友人グリカはなんとストーム・ブルの入信者になっていました。


●神性介入の制限

神性介入(Divine Intervention)は原則的に信者を救援することのみ可能で、敵を倒すために使用することはできません。また同じ神の信者に対抗するために神性介入を求めることはできません。神々は信者に頼まれたからといって自分の信者以外を助けることはめったにありません。

グローランサの神々は全知全能ではなくできることに限りがあるため、神性介入の効果にも制限があります。風の神が地震を起こすことはできませんし、いかなる神も正確に未来を予言したり、過去を改変することはできません。

神性介入は信者を通して発動するので神託と違って敵の領域の中にいる時でも使用できます。テレポートで10人程度が敵地から脱出することもできますが、敵の領域に人々を送り込むのに使用することはできません。

神性介入の一般的な使用法に傷の治癒や死からの蘇生があります。一回の神性介入で蘇生できるのは一人だけです。一方で傷の治療ならばパーティ全員の傷を癒すことができます。

神性介入は神の魔術のような効果を再現することもできますが、神性介入により新種の魔術を作成して入手することはできません。新しい魔術を創造するためにはヒーロークエストが必要になります。

神性介入により能力値を上昇させることもできますが、上昇できるのは 1回の神性介入につき 1ポイントだけであり種族の上限を超えて上昇させることはできません。

★ランタスの冒険

ランタスは親友のグリカ、ヒューマクト信者のアーネ、盗賊神ランブリルの信者でお調子者のフロンポットととある洞窟を探索している時、病の女神マリアのシャーマンであるバリ=ダとその部下のブルーたちと戦いになりました。

バリ=ダが繰り出してくる多数の邪悪な精霊たちにより大変な苦戦を強いられます。病の精霊とブルーに追いつめられたランタスは死を覚悟し、オーランス神に脱出を助けてくれるよう祈りを捧げます。神性介入ロールの出目はなんと02、オーランス神は愛すべき冒険者たちを洞窟の入口までテレポートさせました。たった 2ポイントの POW でランタスと仲間たちは絶対の死地からの脱出できたのでした。


●ルーンロード(Rune Lord)

ルーンロード(Rune Lord)はカルトの世俗的な指導者です。魔術の力ではなく高いスキルをもって人々導きます。RQ2 では全てのカルトがルーンロードの位階を持っていますが、条件を満たす候補者が常にいるわけではないので空席になっていることも多々あります。

ルーンロードになる

ルーンロードになるために以下の3つの条件を満たす必要があります。
  • 少なくとも 1年間評判の良い入信者であったこと
  • POW が 15 以上あること
  • カルトの指定した 5つのスキルが 90%以上あること。
さらに試練に合格してカルトの試験官を納得させる必要があります。ルーンロードになるための試練はカルトによって決まっている場合もありますが、一般にはレフリーが作成します。

ルーンロードの責務

1. カルトへの責任
ルーンロードはカルトに責任を負っており、独立して行動している場合でも、もしカルトから招集された場合には万難を拝して駆けつけ、カルトのための探索(クエスト)に赴かなければなりません。

2. カルトへの援助
ルーンロードは収入の九割をカルトに寄付しなければなりません。また発見した魔法の道具などのうち自分の使用しないものは全てカルトに納めなければなりません。このようにして寄付した金額はカルトからの訓練や呪文の獲得料金に当てることができ、余剰金は積み立てと考えて捕虜になった場合の身代金の支払いなどに当ててもらえます。

ルーンロードの特典

1. スキルの成長
ルーンロードは経験による成長ロールで  INT 以下を出すことによりスキルを100% を超えて成長させることができます(ルーンロード以外は100%が上限です)。100% を超えるスキルには以下のような利点があります。
  • 攻撃スキルが防御値(DEF)などによって減少させられても高い成功率を維持できる。
  • クリティカル命中や貫通などの発生確率が上昇する。
  • 〈攻撃〉スキルの 100% を超える分を相手の〈受け〉スキルから引くことができる。戦闘以外のスキルでも同様で例えば〈物を隠す〉が100%超えていればその分が〈隠れたもの発見〉へのペナルティになる。
  • それぞれに50%以上割振ることができれば、スキルを複数の敵に分割して多人数を同時に相手にできる(同じ敵に2回攻撃はできない)。

2. 魔術への抵抗
ルーンロードは呪文に対して抵抗する時、一時的に POW が減少していたとしても POW 最大値で抵抗することができます。精霊戦闘で防御する時にも POW 最大値で抵抗できます。あくまでも防御目的だけで呪文をかける場合や精霊戦闘で攻撃する場合には現在の POW を使用します。

3. 神性介入の確実化
ルーンロードはほぼ確実に(95%で)神性介入に成功します。その際に永久的に失う POW は以下の表により決まります。

D100 POW消費
01-050 point
06-101 point
11-202 point
21-303 point
31-404 point
41-505 point
51-606 point
61-707 point
71-808 point
81-909 point
91-9510 point
96-00失敗、POW消費はない

POW が足りない場合でも神性介入には成功しますが、そのルーンロードの魂は神の元に召されることになります。ルーンロードは死亡した場合でも死亡したすぐ次のラウンドになら神性介入を試みることができます。

4. 同盟精霊
カルトはルーンロードに同盟精霊(Allied Spirit)を与えてくる可能性があります。ルーン司祭が POW 3D6+6, INT 3D6 のカルト精霊を召喚し、ルーンロードは POW + CHA で精霊の POW + INT に対抗ロールを行ない勝利すればその精霊と同盟できます。

5. 鉄の武具
ルーンロードはそのステータスとして呪鍛された鉄やルーン金属の武具を使うことが許されます。大きくて古いカルトでは新しいルーンロードが誕生した時のために鉄やルーン金属でできた武器や鎧を在庫していますが、そうでない場合にはルーンロード自身がそのような武具を探してこなければなりません。

カルトはルーンロードのために鉄やルーン金属を呪鍛してくれます。呪鍛するためには POW 1ポイントの《神性介入》が必要なのですが、このポイントはルーンロード自身が提供しなければなりません。1 ポイントで武器1つと盾1つと鎧1式までの武具を呪鍛することができます。この呪鍛は使用者に結びついており、使用者のルーンロードが死亡すると呪鍛は失われます。

6. 食事と救援
ルーンロードはとても尊敬されており、カルトの全ての神殿はルーンロードに対して食事と部屋を提供してくれます。また必要に応じて馬や装備の提供もしてくれます。ルーンロードが捕虜になった場合にはカルトが身代金や救出の手配をしてくれます。

ルーンロードの退任

ルーンロードがカルトを離れた場合、神性介入の特典と同盟精霊は失われますが、鉄の武具と 100% を超えるスキルは維持することができます。もちろん神がそれらを奪ったり、何らかの神罰を与えるかもしれません。

カルトを離れるのでなく、大司祭に申し出て一時的な休暇の許可を求めることもできます。大司祭が許可を出すかを抽象的に判定する場合には入信試験と同じ以下の判定を使用します。

    D100 で (POW + CHA + [寄付金 / 100L])÷3×5 以下を出す。

この際の寄付金は自分の 10% の収入の中から出さなければなりません。

★ランタスの冒険

邪悪なシャーマンのバリ=ダに圧倒されたことにより、ランタスはもっと力をつける必要を感じます。ランタスは冒険神オーランスのルーンロード「風の王(Wind Lord)」を目指すことにします。風の王の条件は〈剣攻撃〉90%以上と、次の技能のうちどれか4つを90%以上で持っていることです。〈武器攻撃〉、〈雄弁〉、〈騎乗〉、〈登攀〉、〈盾受け〉、〈地図作成〉、〈隠れたもの発見〉、〈物影に隱れる〉、〈忍び歩き〉、〈嵐の言葉〉。

さらに神性介入で減ってしまった POW を再び 15 以上に戻さなければなりません。先は長そうですが、ランタスはまずはカルトの司祭たちから〈雄弁〉と〈嵐の言葉〉を学ぶとことから始めることにしました。


●鉄の利点

鉄は硬いため鉄製の武器の HP は青銅製の 1.5倍になり、さらにクリティカル以外では傷つかなくなります。鉄製の鎧や鉄製の盾は青銅製の 1.5倍のダメージを吸収します。鉄製の武器や鎧は硬いだけでなく軽くすることができ、青銅製のものに比べて荷重(ENC) 1個分軽くなります(ただし 1個未満にはなりません)。鉄は通常は魔術を妨害しますが呪鍛することで妨害しなくなります。


●同盟精霊の能力

同盟精霊(Allied Spirit)は呪縛された精霊と同様に、そのルーンロードやルーン司祭が呪文を唱える際に POW を提供してくれたり、その INT に呪文を記憶させることができますが、単にそれだけではなく同盟精霊は常にルーンロードやルーン司祭と精神結合(Mind Link)された状態にありルーンロードやルーン司祭の感覚を通して自から呪文を投射することができます。同盟精霊は通常は武器や道具や動物に宿っているため自ら精霊戦闘をしかけることはできません。

同盟精霊は魔術的にはカルトの入信者と同等であり、入信者と同じ手順で神性介入を求めることができます。同盟精霊の POW の成長の可能性は他の精霊と同じく 5% しかありませんが、同盟精霊の POW が 18 以上になるとルーン司祭と同様にルーン呪文が再使用可で使用できるようになります。

ルーンロードの同盟精霊は多くの場合はその武器に宿りますが、盾や鎧などに宿らせることもできます。同盟精霊の宿った武器が壊れた場合には同盟精霊は物質界に対して呪文を投射することができなくなりますが、精神結合を通してその POW や INT を提供することはできます。同盟精霊を新しい武具に宿らせるには一週間の儀式が必要になります。

ルーン司祭の同盟精霊は武具ではなく魔術のための杖やその他の身の回りの物に宿ります。カルトが特別に育てた動物に宿らせることもできます。動物に宿らせた場合には動物の知覚を使用したり、動物自身に移動させたりすることができます。動物が死亡した場合は別の肉体へと宿らせる儀式が必要になります。

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今回は入信者とルーンロードについて説明しました。次回はカルトの続きとし
てルーン司祭と大司祭などについては次回に説明する予定です。

2016年6月18日土曜日

RQ2 紹介 - 第10回 ルーン魔術

今回は上位魔術であるルーン呪文について説明します。



●ルーン魔術の基本的な仕組み

基本魔術(戦闘魔術)は個人の知識と精神力を使って世界を変容させるのに対して、ルーン魔術(Rune Magic)では神々の助けを借りることにより、個人の限界を超えるルーン(Rune)の深淵な秘密に基いた魔術を行使できます。

システム的にも原理的にも RQ3 の神性呪文(Divine Magic)とほぼ同じですが、ルーンクエストというゲームのタイトルに関連した「ルーン魔術」という格好良い名前にで呼ばれています。

●ルーン(Rune)

グローランサ(Glorantha)においてルーン(Rune)は単なる文字や記号ではなく大きなパワーを内在しており、世界や神々と深いつながり持つとされており、グローランサにおけるお馴染の主要ルーン(major rune)が紹介されています。RQ2 では主要なルーンを以下の四種類に分類しています。

元素(Elemet)のルーン


形態(Form)のルーン


状態(Condition)のルーン


力(Power)のルーン


Guide to Glorantha に記載されている新しい主要ルーンの分類とと比較すると「幸運」と「宿命」が力(Power)のルーンに含まれている点が大きな違いでしょうか。「月」がエレメントのルーンに明示的に含まれている点にも注目です。

「光」「法」「交易」「竜」「不死」「力」「永遠の戦い」などのルーンなどはこの時点では存在していませんでした。RQ2 ではランカー・マイは「法」のかわりに「静止」のルーンを持っており、イェルマリオは「光」ではなく「火」のルーンを持っていました。「交易」のルーンは Cult of Prax で追加されイサリーズ専用で「イサリーズ」のルーンと呼ばれていました。


●ルーン呪文の獲得

ルーンカルトの司祭は神殿において儀式を行って神からルーン呪文を受け取ることができます。獲得には神に呪文のポイントに等しい POW を永久的に支払う必要があります。支払いは POW のみで金銭を支払う必要はありません。ルーン呪文を保持できる数には上限はありません。

ルーンカルトの入信者もカルト・ミッションに向う場合や、長年評判の良い入信者であった場合の報酬としてルーン呪文を取得する許可をもらえる場合がありますが、司祭と違って呪文は一回限りとなり再使用できません。また元から再使用不可(Non-Reusable)と指定された呪文の取得は入信者には許可されません。


●ルーン呪文の使用

ルーン呪文はその呪文のキーワードを叫ぶか心に思い浮べるだけでも発動できます。そのため戦闘ラウンド中に使用する場合 は術者の DEX 等にかかわらず必ず SR 1 で使用することができます。呪文に必要な POW は事前に支払っているため使用する際に POW の消費はありませんが、呪文を強化して《抵抗魔術(Countermagic)》などを突破しやすくするために任意で一時的な POW の消費を追加することはできます。その場合はその分だけ投射のタイミングが遅くなります。

ルーン呪文は戦闘呪文(Battle Magic)と同じく相手が抵抗しない場合には 95% で成功します。相手が抵抗する場合には一般に POW どうしで対抗ロールを行ないますが、呪文によっては抵抗されても一定の効果があるものもあります。ルーン呪文の投射はポイントごとに一回のみで、一度使用したルーン呪文は神殿に戻って再獲得するまでは再度使用ることはできません。

呪文は 1ラウンドに 1回までの制限があるためルーン呪文を使用したラウンドには他のルーン呪文や戦闘呪文を投射することはできません。《延長(Exrtension)》呪文のみ例外です。

★ランタスの冒険

ランタスはカイガー・リートールのトロウル女祭ギージャへ贈物を届ける仕事を引き受けましたが、トロウルのことをよく知らなかったため、彼女の前で恐るべき無礼を働いてしまいました。女祭はこの無知な若者を懲らしめるためにルーン呪文を使うことにしました。

ランタスは誤ちに気付いてあわてて謝ろうとしますが、ルーン呪文はあっという間に発動します。女祭の POW は 18、ランラスの POW は 14 なので成功率は 70% です。レフリーのダイス目は 22、呪文は難無く成功し、ランタスの目は全く見えなくなってしまいました。彼女の使用した呪文は《盲目(Blinding》だったのです。

幸いにも女祭の機嫌はそこまで悪くなく、そのまま 15分間で呪文の効果が切れて視覚は戻りましたが、ランタスは今後はトロウル女祭の前では行動に気をつけようと心に誓うのでした。



●ルーン呪文の再獲得

司祭(Priest)階級以上であれば一度使用したルーン魔術の呪文を POW を支払わずに再度入手することができます。再獲得のためにはカルトの神殿や聖地で呪文のポイントごとに 1日間瞑想しなければなりません。《神性介入(Divine Intervention)》や《マトリクス作成(Matrix Creation)》のような再使用不可(Non-Reusable)と指定された一部の呪文は再獲得できず、獲得には再度永久的な POW を支払う必要があります。

入信者はルーン呪文の再獲得はできずルーン呪文を獲得するためには再度 POWを永久的に支払う必要があります。


●ルーン呪文のスタック

戦闘呪文は重ねがけしても効果は増しませんが、「スタック可能(stackable)」と記載されたルーン呪文は複数の呪文を重ねることにより効果を増加させることができます。持続時間のある呪文ならば既存の呪文に後からでも同じ呪文を重ねがけして強化することもできます。例えば《盾(Shield) 2》を使用中の対象に《盾 1》を重ねがけすると 《盾 3》と同じ効果になります。ただし一部のルーン呪文(主に戦闘系の呪文)は最大で 4ポイントまでしかスタックできません。


●ルーン魔術の持続時間

ルーン魔術の持続時間は特に指定がなければ 15分(75ラウンド)です。これは戦闘魔術の 7.5倍にあたります。もちろん呪文によっては瞬間のものや永遠のものや特殊な持続時間を持つものもあります。


●ルーン呪文の到達距離

ルーン呪文の到達距離は特に指定されていない限り 160メートルです。これは
一般的な戦闘呪文の 2倍にあたります。もちろん呪文によっては接触が必要な
ものや特殊な距離を持つものなどもあります。


●エレメンタル(Elemental)

エレメント(元素)系のルーンカルトでは《エレメンタル召喚(Summon Elemental)》というエレンタルを召喚する強力なルーン呪文を持っています。この呪文は召喚するエレメンタルの種類ごとに《シルフ召喚》、《シェイド召喚》、《サラマンダー召喚》などのように分かれています。さらに 1ポイント、2ポイント、3ポイント呪文の種別があり、それぞれ小、中、大のエレメタルを召喚することができます。

この呪文は基本的に再使用可で、使用する度に同じエレメンタルを召喚しますが、エレメンタルの POW がゼロになって消滅した場合に再使用不可になます。新しいエレメンタルを召喚するためには POWを支払って新しい呪文を取得しなおす必要があります。

エレメンタルは物質的な性質と精霊的な性質の両方を持つ生物とされており、召喚者の念話(mindspeech)による命令に従います。ただし INT は 1D6 しかないので複雑な命令を出すことはできず、敵味方かまわず接触した者を自動的に攻撃します。エレメンタルには以下のような種類があり、それぞれ独特の攻撃を持っていますが、いずれも強力なので注意が必要です。


シェイド(Shade)

闇のエレメンタルです。闇の塊の中に立つマントを着た人のような姿をしています。攻撃に成功すると闇で包んで対象の CON とシェイドの POW で対抗ロールを行ない勝利した場合には恐怖を与えます。対象は運が悪いと死んだり昏倒したりします。そうでなくても恐怖で逃走します。

シルフ(Sylphs)

風のエレメンタルです。シルフは包んだ対象と STR対STR で抵抗ロールして成功すれば自分の身長まで持ち上げて落とすことにより落下ダメージを与えることができます(落下ダメージに鎧は有効です)。また抵抗しない相手を連れて空を飛ぶことができます。

サラマンダー(Salamander)

火のエレメンタルです。サラマンダーは熱により包み込んだ対象の CON を直接攻撃して減少させます。毒に抵抗する時のように CON でダメージに対抗できれば半分で済みます。このダメージに鎧は無効ですし、CON ダメージは《治癒(Healing)》呪文では治せません。

ウンディーネ(Undine)

水のエレメンタルです。包み込んだ対象を溺れさせ、対象は毎ラウンド INT×5に失敗すると HP にダメージを受けます。抜け出すには INT×5 と DEX×5 の両方に成功すると必要があります。

ノーム(Gnome)

大地のエレメンタルです。普段は地中に潜っており対象が上に乗ると深さ 1メートルの落とし穴を開いて対象を落として、すぐに穴を閉じることにより両脚に大ダメージを与えます。片脚ならまだしも両脚なので即死もありえます(鎧は有効なので脚に鎧をつけましょう)。

★ランタスの冒険

ランタスが冒険者の大先輩で冒険神オーランスの司祭であるオーランドと森を旅をしていた時のこと、ミノタウルスの盗賊に遭遇します。ランタスは剣を抜いてたち向かおうとしますが、相手のグレートアクスのダメージは 4D6+2 でランタスを一撃で殺してしまうかもしれません。

危ういと見た司祭オーランドは奥の手である《シルフ召喚(Summon Sylph) 3》を使用して大型シルフの召喚を行なうことにしました。抵抗はないので成功率は95% で難なく成功します。

この大型シルフの STR  32 で、ミノタウルスの STR 25 と対抗ロールを行ない成功すればシルフの身長9メートルまでミノタウルスを持ち上げて地面へ落下させることにより 5D6 のダメージを与えることができます。さすがのミノタウルスもこの攻撃には長く耐えることはできないでしょう。


●標準ルーン呪文の例

ルーン呪文はルーンカルトごとに独特のものを提供していますが、一部のルーン呪文は多くのカルトに共通で使用されています。このような呪文を標準ルーン呪文(Standard Rune Spell)と言います。ここではこの標準ルーン呪文のうち RQ3 では登場しないものや効果が大きく違うものについて簡単に説明します。

《潜伏(Concealment)》
この 2ポイント呪文は戦闘呪文の《透明(Invisibility)》と《静寂(Silence)》の両方の効果をもち目にも見えず音にも聞こえなくなります。また《透明》と違って受動呪文扱いなのでダメージ等を受けても切れません。自分から攻撃したり呪文を使用した場合には攻撃や呪文を使っているラウンドだけ姿を現わしますが、次のラウンドにまた消えることができます。

《霊体化(Discorporation)》
肉体から抜け出して精霊(Spirit)として活動できてます。精霊状態の間も戦闘呪文を使用することができ、精霊戦闘をしかけることもできます。通常は肉体の近くから離れられませんが、呪文を 1ポイントスタックすることに 5km まで離れることができるようになります。残さられた肉体は昏睡状態になり無防備となるので注意が必要です(肉体が破壊されると肉体の戻れなくなります)。

《エレメルンタル退散(Dismiss Elemental)》
文字どおりエレメンタルを退散させます。この呪文には 1ポイント、2ポイント、3ポイントの三種類の呪文があり、それぞれ小、中、大のエレメンタルまで退散できます。退散するには POW 対抗ロールでエレメンタルに勝利する必要があります。

《神性介入(Divine Intervention)》
司祭用の特別な呪文で 1ポイントスタックするごとに 10% の確率で神性介入を求めることができます。もちろん再使用不可で取得するには再度 POW を支払う必要があります。神性介入に失敗した場合には呪文は消費されず、そのまま再使用できますが、同じ内容の神性介入を続けて試みることはできません。

《延長(Extension)》
RQ3 にも同名の呪文がありますが少し効果が違います。この呪文には 1ポイント、2ポイント、3ポイントの三種類があります。1ポイントの呪文は持続中の戦闘呪文 1つの持続時間を 1時間に延ばすことができます。2ポイントの呪文は戦闘呪文を 6時間に延ばすか、ルーン呪文の持続時間を 1時間に延ばすことができます。3ポイントの呪文は強力で戦闘呪文の持続時間を1週間に延ばすか、ルーン呪文の持続時間を6時間に延ばすことができます。

《マトリック作成(Matrix Creation)》
RQ3 の Spell Matrix Enchantment (HJ訳の呪文封印呪付)にあたる呪文です。込めることができるのは戦闘呪文だけで、スタックしたポイント分までの戦闘呪文を込めたマトリック(魔方陣)を物体に刻むことができます。この呪文は再使用不可で呪文の POW が消費されるため RQ3 のような追加の POW は必要ありません。

《数多の呪文(Multispell)》
1ラウンドに呪文は1回までという制限を超えて持続時間(15分)中は戦闘魔術を同時に複数使用できるようになります。この呪文には1ポイント、2ポイント、3ポイントの三種類が存在し、それぞれ2個、3個、4個まで戦闘呪文を同時に使用できます。同時に使用する呪文の種類や対象はバラバラでも構いません。それぞれの呪文に一時的な POW 消費は必要ですが、呪文は同時詠唱できるので単独で使用したのと同じ SR にそれぞれ発動します。

《呪文伝授(Spell Teaching)
この呪文により自分の知っている戦闘呪文を他人に教えることができます。呪文を教えるには一週間かかり、その間は生徒と特殊な精神結合(Mind Link)状態にあります。。呪文伝授はカルトの主な収入原なので呪文を教える際には必ず料金を取ってカルトに収めなければなりません。

《視界(Vision)》
この 2ポイント呪文の対象者は自分の視界を最大で 240メートル離れた場所に設定することができます。その位置から 180度の視界を持つことができます。視界は 1ラウンドに3メートルづつゆっくりと移動させたり、180度向きを変えることができます。

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今回はルーン呪文のルールについて説明しました。ルーン呪文は今回紹介したような標準呪文ではなく、カルトごとの独特の呪文が楽しいので是非カルト本を読んでみてください。次回はルーンカルトの位階について書きたいと思います。