2014年9月14日日曜日

HeroQuest Glorantha preview

Guide of Glorantha  の Kickstarter 参加者のうち高位(Illuminate $300以上)の人たちに HeroQuest Glorantha のプレビュー・ドラフトが PDF で配布されました。 本格的な紹介は正式版が発売されてからと思いますが、 まずは簡単に紹介してみたいと思います。

この HeroQuest Glorantha はシステムとして HeroQuestの第二版にあたる HeroQuest Core Rule を使ってグローランサを舞台にして遊ぶための独立ルールブックです。 もともと HeroQuestHeroWars の後継ルールでグローランサの世界設定で遊ぶためのものでしたが、 第二版になる時に Core Rule という名前になり背景世界を切り離した汎用ルールになりました。 そのためグローランサ関係は付録に少し書かれているだけだったのですが、 今回改訂版として再びグローランサ専用になったバージョンが作られることになりました。

この本自体の発売は2014年10月の発売を目指して現在鋭意レイアウト作業等を行っているところと聞いていますが、 8月に行われた GenCon 2014 の会場でPreview版が頒布されたました。今回 Kickstarter 参加者に配られたのは、 これと同じものようです。


●外観
手元にあるのはPDF版なので外観といっても表紙だけなのですが、 この両刃の斧を持った女戦士は地界の「死者の館」を守るバービスター・ゴアということみたいです。 頸からとか腰とかに駄目なものをぶら下げているので、解像度低めにしときました。手前で色々と並んでいるのがヒーロークエスト中のプレイヤーキャラクター。


ページ数的には、 まだ挿絵が一切なくレイアウト前ですがそれでも192ページあります。 これに挿絵がついてきちんとレイアウトされたら250〜300ページのくらいの本になりそうです。


●内容
内容としては、 グローランサ入門 + HeroQuestルール + グローランサ魔術ルール + グローランサでの遊び方 といった感じです。

まず最初にグローランサ入門的な紹介があります。 この部分はグローランサ・ファンにとってはもうお馴染みのもので社会基盤の説明、 英雄戦争、 貨幣、 主要ルーン、  歴史、 地理、 主要人物などが説明されています。 地理と歴史と主要人物は第三期のドラゴン・パスと周辺に限定していて単純化され、 入門者向けに適したものになっています。 一方でコアなファンにはちょっともの足りないかもしれません。 (ドラゴンパス周辺なので主要人物が ブライアン、 クラグスパイダー、 ディレクディ、 エシリスト、... という英雄一覧状態なのはどうかと思うけど)。

HeroQuest のルール部分は全ページ数の半分ほどを使って HeroQuest Core Rule をほとんど全て収録しており、 この本だけで独立して遊ぶことができるようになっています。 ルールは HeroQuest Core Rule とほぼ同じものですが、 キャラクター作成がグローランサ専用になっているのと、 ゲームバランスが少し変更になっている点(後述)が異なっているようです。 ルールの適用のサンプルが全てグローランサの話になっているところがグローランサファンに嬉しいところでしょうか。 サンプルキャラクターはコミックの Prince of Sartar で話題になったノチェットのサマスティナ(Samastina)たちです。

●魔術
そして次のグローランサ魔術ルールが、 この本のメインになると思います。 完全に新しいルールというよりは Sartar: Kingdom of Heroes とか Pavis: Gateway to Adventure とかで導入されたルールを元に再調整されたもにになっていて、 今までグローランサを舞台にして HeroQuest を遊んできた人たちにとっても違和感のないできになっているようです。 精霊魔術(Spirit Magic)、 ルーン魔術(Rune Magic)、 妖術(Sorcery)、 ルナー魔術(Lunar Magic) についてページ数をさいて詳しく説明しています。 (そうです神性魔術の名前が昔懐しい RuneQuest2版の Rune Magic に戻っています。 さすがに下位魔術は戦闘魔術(Battle Magic)にはならず基本魔術(Basic Magic)という呼び名になったようです。)

魔術は小さな部分が色々と変っている感じで、 例えば精霊魔術だと、 精霊ごとに禁忌(Taboo)が設定されるようになりました。 これにより今までは他の魔術に比べて制限が少なく好きな種類の精霊を集めることで何でもできた精霊魔術が、 多種の精霊を集めるとそれだけ多くの禁忌を受けることになり、 少し難しくなっています。 神の入信者だと信仰する神の性格に合った行動を行うことによりルーンに状況ボーナスやプロット増強がもらえるようになりました。 妖術の呪文は召喚/消去、 命令、 合成/分離、 吸収(Tap)という原理をルーンに適用する形で整理されたようです。

カルトライト・アップにはアーナールダ(ルーン)、 オーランス(ルーン)、 イサリーズ(ルーン)、 ヒューマクト(ルーン)、 ワーハ(ルーン/精霊)、 ランカー・マイ(ルーン/妖術)、 七母神(ルナー)が載っています。


●その他いろいろ
魔術の次にグローランサにおけるヒーロークエスト(英雄の探索)とは何かと遊び方について一章を使って説明しています。  HeroQuest Glorantha を遊ぶにあたってもグローランサを理解する上でも非常に重要な部分になっています。

次の章は「グローランサの生物」として、 古えの種族とか動物やドラゴンや精霊や混沌の生物などなどグローランサ特有の生物について説明しています。 HeroQuest 用なので能力値とかはありませんし、説明の文章も短かいですが一通り揃っているようです。  種類別になっていてやっぱりグリフィンはドラゴンの亜種なんだとか、 狼の兄弟とかが神知者の分類名のスンチェンではなく毛皮歩き(Skin-Walkers)というグループ名になっているなどが興味深です。

最後の章は 「グローランサで遊ぶ(Gaming in Glorantha)」 となっており、 グローランサで遊ぶ上でその雰囲気を保つために心がけること、 グローランサでの冒険の作り方、 そして実際に作ったシナリオの例が載っています。 表紙はこのサンプルの冒険の一場面のようです。  この章は HeroQuest などのナラティブRPG のシナリオ作成の方法としても非常に興味深いです。

最後に付録としてA.グローランサのカレンダー、 B.装備、 C.グローランサの言語、 D.用語集、 E.文献、 F.他のグローランサ資料、 G.早見表がついています。 特に「装備」は HeroQuest  では細かい所持金や重さを管理するのはお勧めではないとしながらも、 重さと価格も記載されています。 内容的にもルーンクエスト等と比べても、 より古代風になっているようです。 (ちなみに貨幣換算が気になる人向け: 乳牛(cow)は 20ルナーでした)。


●ルール変更点
「HeroQuest 紹介」の連載を読んでくれた人のために、 今までに気付いた HeroQuest Core Rule からのルール変更点をメモしておきます。 正式版の発売までにまた変更されるかもしれないのでご留意ください。

変更点1: 成功度が同じ時にはダイス目が高い方が勝利。 コアルールではダイス目が低い方が勝利で、 オプションルールで高い方を勝利にしても良いということだったのですが HeroQuest Glorantha では高い方が勝利が標準になったようです。 こうすることによりアビリティの数値の違いがより判定に反映されやすくなるので、 個人的にはこちらのルールの方が好みです。 小さい方が勝利だとダイスの影響が大きく、例えば相手が 1 の目を出すとヒーローポイントを使っても逆転不可能という問題がありました。

変更点2: 単純コンテストでも使えるヒーローポイントは1ポイントだけ。 コアルールだと単純コンテストの場合は好きな数のヒーローポイントを重ねて使うことができましたが、 1ポイントだけに制限されたようです。 上記のダイスが大きい方が勝ちになったことによりヒーローポイントを大量に注ぎ込めばどんなに不利なコンテストでも勝利できてしまう問題があるのでこうなったようです。 (変更点1を見た時に、 これでジャイールにも勝てるとか思ったけど駄目でした。)

変更点3: セッションごとにアビリティを成長できるのは最大1ポイントまで。 コアルールだとヒーローポイントを 3ポイント使えば +2、 6ポイント使えば +3の成長ができましたが、 これはできなくなったようです。 一つに集中せず色々なアビリティを成長させて欲しいということかもしれません。

変更点4: 基本抵抗値の上昇が4セッションごとに+1。  コアルールだと2セッションごとに +1 だったのが緩やかになっています。 上記の集中成長ができなくなったことと、 ヒーローポイントを成長ではなくより積極的にセッション中に使って欲しいということではないかと思われます。


●まとめ
ドラフトといいながらもほぼ書き上がっており読んでいてワクワクしました。 最近の Moon Design の本はイラストも素晴しいので、 早く挿絵入りの完成版を見てみたい気持ちで一杯です。 正式版が発売されたらキャララクター作成ルールや魔術ルールの詳しい紹介をしようかとか考えています。


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