2017年7月1日土曜日

RuneQuest Quickstart 紹介

今年の年末に Chaosium社から新しいルーンクエスト(ケイオシアムが開発したという意味では日本語に翻訳された第3版に続く、第4版)の発売が予定されています。今回のルーンクエストは汎用システムではなく、グローランサ世界専用とアナウンスされており、ルーンクエスト第2版以来何と37年振りのことで、その名も RunelQuest: Roleplaying in Glorantha です。

 

そして、その新ルーンクエストのお試し版というかプレビュー版の位置付けのクイックスタート(Quickstart)が先月の Fre RPG Day のイベントの一貫として欧米のゲームショップの店頭で無料配布されたのですが、本日(7月1日に)あらためて販売開始となり広く入手できるようにになりました。PDF版ならば無料で入手できますので是非入手してみてください(英語ですが)。

新しいルーンクエストがどのような感じになるのか? このクイックスタートをレビューしてみたいと思います。短かく簡単に読み易くまとめるつもりだったのにダラダラと長くなってしまいました。長いですけどあまり中身はないので軽く読み流してもらえると幸いです(あらかじめ言い訳)。


●クイックスタートの入手方法

クイックスタートルールは以下のケイオシアム社のサイトから購入できます。PDF だけなら無料でダウンロードできます(下の方に Get the Free PDF Download! というリンクがあります)。

販売ページ:
www.chaosium.com/runequest-roleplaying-in-glorantha-quickstart/

Free RPG Day に配られた冊子と比較すると、一部の誤植や間違いが修正されているようです。


●クイックスタートの概観

A4レターサイズで表紙別で48ページになっています。表紙は綺麗なカラーで伝統の大きなトカゲと、青銅の鎧を着た女性冒険の絵です。この大きなトカゲですが、どんなに恐ろしい怪物かと想像していたのですが、ケイオシアム社のスタッフの話だと、ロックリザード(岩蜥蜴)だったようです。そう聞くといきなり雑魚に見えてくるか不思議です。中身は白黒で前半の24ページがルールパート、後半が16ページのシナリオと 8ページの作成済みキャラクターになっています。


●ルール全体の印象

個々のルールを確認する前に、まず最初に注意しておかなければならないのは、新ルーンクエストはまだ完成していないということです。それで、このクイックスタートも開発途中のルールが元になっていて、コンピューターのプログラムでいうアルファ版のようなものということです。それでこれから紹介する内容もあくまで現時点のもので正式版では変更になる可能性が多分にあります。
クイックスタートは今年の 2月頃のルールを元に作成されたもので、それ後も開発が続けられており、現時点で既に色々変更になっていとのことです。さらに 48ページ(シナリオを除くと 24ページ)にルールを収めるためにかなりの部分が省略されたり簡略化されてになっています。

クイックスタート・ルールを読んでいて最初に気付くのはどこかで読んだことがあるようなルール文章があちこちにあることです。実際に第2版や、第3版のルールブックからコピーペーストしただけのような部分が多数見つかります。デザイナーの「昔からルーンクエストを遊んでいる人に馴染み深いルール」とか「ルーンクエスト2版をベースにルーンクエスト3版の良いところを取り入れて、ペンドラゴンなどを元に新ルール導入する」とか「実質ルーンクエスト 2.5版」とかいう話は嘘ではなさそうです(笑)。2版からとった部分と3版からとった部分があるせいで現時点では整合性が取れていない部分も残っているのがご愛嬌。正式版発売までには直っていて欲しいところです。


●能力値

それでは個別のルールを見ていきたいと思います。まず最初に能力値ですが、筋力(STR)、耐久(CON)、サイズ(SIZ)、敏捷(DEX)、知性(INT)、パワー(POW)、カリスマ(CHA)となっています。日本語に翻訳された第3版と比べると外見(APP)がカリスマ(CHA)に入れかわっていますが、ルーンクエスト的に3版以外は全て CHA なので標準的といった感じです。


●増強

最初に記載されているのは増強のルールです。ある技能(スキル)で別の技能を補強するルールが正式に採用されました。絵を売る際に〈芸術〉技能で〈取引き〉技能を補強して成功率を高めるとかができます。ルールは簡単で支援する技能、この例なら〈芸術〉技能で判定して、成功すれば〈取引き〉に +20%、失敗ならば -20% となります。クリティカルやファンブルならもっと極端な修正になりますが、シンプルで使いやすいものになっています。もちろん自分の技能だけでなく他人の行為に対しても増強を使用できます。印象的なのは単なる技能だけでなく、能力値抵抗ロールや、呪文をかける際の成功率まで増強することもできる点です(〈ダンス〉や〈歌唱〉技能などが使えます)。かなり応用範囲の広いルールとなっています。


●技能

技能(スキル)は大雑把には今までの RQ2/RQ3 と同じ感じですが、内容の整理や入れ換えが行なわれています。〈地図作成〉とかの(使えないw)技能は無くなりました。新しい技能として目立つのが〈威嚇(Intimidiate)〉とか〈策謀(Intrigue)〉のような交渉系の技能の充実です。〈芸術〉や〈ダンス〉も交渉分野に分類されています。ほかには知識系の技能に〈農場〉〈放牧〉〈家の経営〉のような職業系の技能が追加されています.クイックスタートに記載されている技能は一部のみで全てではないとのことなのですが、戦闘や冒険の場だけではなく日常的な技能に力を入れていることが伺えます。


●ルーン

新しいルーンクエストで新規導入されたルールとして最も目につくのは「ルーン」についてす。RQ2 や RQ3 ではルーンクエストという名前に反してルーンは信仰する神々の属性としてのみ使用されており、冒険者個人にはあまり関係しませんでしたが、新しいルーンクエストではキャラクターごとに「ルーン」という特性を持ちます。これは技能の同じくパーセント値で表現され、風のルーン90%、移動のルーン70%、調和のルーン60% のような値を個人ごとに持つことになります。

ルーンには色々な使い方がありますが、最もわかりやすいのがルーン呪文の使用です。今まではルーン呪文(神性呪文)の成功率は 95% 固定でしたが、新版では呪文ごとに関連するルーンが決まっており、そのルーンの値が呪文の成功率になります。例えば《瞬間移動(テレポート)》の呪文は移動のルーンの値で成功率が決まります。

ルーンのもう一つの重要な使用方法はルーンによる鼓舞(インスパイア)です。身体/精神をそのルーンの力で満たすことにより、そのルーンに関連する行為を強化することができます。これには上記の技能による増強と似たルールを使用します。例えば「火」のルーンは槍に関連しているために、火のルーンで心を満たしてインスピレーション判定に成功すれば〈ロングスピア〉技能に+20% の増強を獲得できます。ルーンそのもの魔術的な効果ということだと思いますが、下手な呪文によりずっと応用範囲が広くて有用な力です。失敗した時のペナルティもあるし、ゲームマスターの許可も必用なので、いつも使えるというわけではありせんが、新しいルーンクエストの重要な要素になっています。

ルーンには個人の性格や個性として使い方もあります。グローランサのルーンにはそれぞれに関連した性格が決まっており、特定のルーンの値が高いものはそのルーンの性格が強いとされています。「風」のルーンならば「活動的で、誇り高く、暴力を好み、移り気で予想がつかない」といった感じになります。ロールプレイの参考にしたり、選択を迷った時にダイスで方針を決めたりできます。またルーンの値が非常に高い場合には、本人が望まなくても、そのルーンの性格にふりまわされる(ゲームマスターの指示により判定/行動を強制される)ということもありえます。


●情熱(パッション)

ペンドラゴン(アーサー王伝説を舞台にしたRPG)を遊んだことがある人ならお馴染みの「情熱(パッション)」ルールがルーンクエストにも導入されます。人には「愛情」や「忠誠心」場合によっては「憎悪」や「恐怖」などのとても強い感情や、それのためには苦労を厭わないような個人的に大切にしているものがあります。そして物語の上でそれが問題になった時に普段では出せないような能力を発揮することがあります。これを表現するためのルールが情熱です。情熱も技能やルーンと同じく「忠誠(アーグラス)80%」「帰依(オーランス)90%」のようにパーセントで表現され、D100を使って同じように判定します。技能(スキル)と「ルーン」と「情熱(パッション)」、同じ判定方法を使用するこれらを三つを合わせて特性(アビリティ)と呼びます。

情熱は主に鼓舞(インスパイア)に使います。例えば家族が危険にさらされた時に「愛情(家族)」の判定に成功すれば、家族を救うための戦いなど技能ロールに増強を得ることができます。一方でルーンと同じく、プレイヤーや本人が望んでいなくても強い情熱(パッション)によってキャラクターが振り回されることなども起こります。情熱は、それによってその人が大事にしているものや、冒険のきっかけ、周囲とのかかわりなど明確にし、冒険者を単なる「駒」ではなく生きた存在にします。

ペンドラゴンのもう一つの特徴であった「気前が良い」とか「冷酷」とかいった性格(トレイト)のルールは導入されていませんが、ルーンクエストでは先に説明した「ルーン」を性格として使用します。


●戦闘ラウンドとストライク・ランク

ルーンクエストなのでもちろんストライク・ランクによる行動順の決定があります。クイックスタートルールを読む限りではストライク・ランクのルールはルーンクエスト2版(RQ2)と全く同じもののようです。RQ2 のストライク・ランクについては前に記事をかきましたのそちらを参照ください。

ルーンクエスト3版(RQ3)との最も大きな違いは専用の移動フェイズがあることです。このため移動の処理が簡単です。移動関連のルールも RQ2 と同じで、接敵状態から離脱するためのルールが追加されたのが唯一の違いといった感じです。あと RQ2 は 1戦闘ラウンドは 10 ではなく 12ストライク・ランクからなります。


●武器と鎧

武器と鎧のデータは現時点ではおおまかには RQ2 の数値を元に、新しい武器が追加されているくらいの違いしかないようです。この辺の数値はまだ調整中なので正式版では、一部変更されるとのことです。

運用的な大きな違いとしては、攻撃と受け流し(パリィ)の技能の区別が無くなったことがあります。例えば〈ブロードソード〉技能一つで、ブロードソードによる攻撃と受け流し(パリィ)の両方ができます。


●攻撃と受け流し

戦闘ルール、特に攻撃と受けの流しの関係はなどは、おおまかには RQ3 が元になっており、それに RQ2 風味の味付けをした感じになっているようです。

もちろんクリティカル成功(決定的成功)とスペシャル成功(効果的成功)のルールもありますが、残念ながらクイックスタートでは貫通(インペイル)やスラッシュなどの個別ルールがスペースの都合で削除されていて、スペシャルだと一律ダメージ2回分のように簡略化れてしまっています(正式版にはちゃんと貫通とかのルールも載るそうです)。

この部分はテストプレイの結果を反映させて、クイックスタート以後にルールが見直され一部変更になったとアナウンスされています。クイックスタートのままのルールだと武器が壊れ易すぎると不評だったためとのことです。最新版のルールが BasicRoleplaying.org サポート・フォーラムで解説されていたので、ここではクイックスタート記載ルールではなく、より新しい方を紹介したいと思います。

攻撃\受けクリティカルスペシャル成功失敗
クリティカルダメージ無しクリティカル命中クリティカル命中クリティカル命中
スペシャル強カウンタースペシャル命中スペシャル命中スペシャル命中
成功強カウンターカウンター通常命中通常命中
失敗強カウンターカウンターカウンターダメージ無し

通常命中:

武器のダメージ・ロール + ダメージボーナスロールを与える。受け流しに成功していたらその武器の HP をダメージから引く。ダメージが受け流した武器の HP 以上なら余分のダメージは命中部位へ適用され、受け流しに使用した武器のHPを 1 だけ減らす。

スペシャル命中:

武器種ごとに異なるダメージを与える。受け流しに成功していたらその武器の HP をダメージから引く。ダメージが受けた武器の HP 以上なら余分のダメージは命中部位へ適用され、抜けた量と同じだけ受け流しに使用した武器の HP も減少する。
    突刺武器 貫通:? 武器最大値 + 武器ロール + ダメージボーナス
    切断武器 スラッシュ:? 武器ロール2回分 + ダメージボーナス
    打僕武器 クラッシュ:? 武器の通常ロールダメージ + ボーナス最大値 + ダメージボーナス

クリティカル命中:

スペシャルと同じダメージ量だが、鎧や魔法の防御を無視する。受け流しに成功していたら受け流し武器の HP にそのダメージを適用する。ダメージが受け流しに使用した武器の HP 以上なら(武器は破壊され)、余分のダメージは(鎧や魔法の防御は無効で)命中部位へ適用される。

カウンター:

攻撃側はダメージを与えられず、防御側は受け流しに使用した武器のダメージ + ダメージボーナスをロールし、それを攻撃した武器の HP と比較して越えていれば、攻撃武器の HP を 1 だけ減らす。

強カウンター:

攻撃側はダメージを与えられず、防御側は受け流しに使用した武器のダメージ + ダメージボーナスをロールし、そのダメージを攻撃武器のHP に適用する。

ファンブル:

攻撃ファンブルおよび受け流しファンブルは失敗に加えてファンブル表でロールする。(クイックスタートではファンブル表が省略されているので一律に「使用した武器を 1D3メートル先に落とす」になる)

要約すると通常命中や通常受けの場合の処理は RQ3 と全く同じで、クリティカルやスペシャル成功した場合には、従来の効果に加えて武器破壊効果が追加されている感じになっています。RQ2 ほど武器が壊れ易いわけではないものの、RQ3 よりは壊れるので要注意といった中間のバランスになっているようです。


●命中部位とダメージ

命中部位は RQ3 の近接/遠隔の2種類から、RQ2 の 1種類だけに戻りました。繁雑なわりに二種類あることの面白さがあまり無かったからということのようです。

ダメージの扱いは RQ2 を元にして、わかりやすく整理したものになったようです。あいかわらず手や足が飛びますし、頭を殴られて即死したりするので緊迫感のある戦いが楽しめそうです。


●防御と回避

個人的には RQ2 の防御(ディフェンス)値は気にいっていたのですが、残念ながら無くなり、RQ3の〈回避〉技能の方が採用されいます。引き算はめんどうだったのでしょうね。回避のルールは RQ3 のものと同じもののようです。


●精霊魔術と精霊戦闘

精霊呪文の使い方はほぼ RQ2/RQ3 と同じようです。呪文の種類は少し増えるみたいです。ただ呪文を所有できる量は INT から CHA に変更されたようで、CHA 能力値の重要性が上がっています。

精霊戦闘のルールはかなり変更になったようです。クイックスタートでは精霊戦闘のルールの簡略版なため、詳細はわからないのですが〈精霊戦闘〉技能どうしの技能対抗ロールで勝敗を来め、勝った方が(多分CHAから計算される)「精霊戦闘ダメージ」を相手のマジック・ポイントに与えるという処理になるようです。


●ルーン呪文

呪文自体の種類や中身はそんなに変更にはなっていないようですが、その使用方法が大きく変更になっています。

ルーン呪文を使用するためにはマジック・ポイントに似たルーン・ポイントという数値を消費する必用があります。ルーン・ポイントはあらかじめ POW を捧げて獲得する必用がありますが、今までのようにどの呪文を使うかを事前に決めておく必用はなく使用時に決めることができます。またルーン・ポイントは神殿に戻って聖日の祝祭や礼拝に参加することにより入信者でも回復させることができます。入信者でも使い捨てでは無くなったことにより強力なルーン呪文が使えるようになっています。付属のキャラクターを見た感じだと初期キャラクターでもルーン・ポイントを 3ポイント〜4ポイント持っているようなので、使える回数は少ないものの、ここぞという時の切り札として便利に使えそうです。

ルーン呪文が非常に使い易くなった一方で、先に「ルーン」のところで説明したように呪文の成功率が 95%固定から、対応するルーン値に変更になっており、いざという時の信頼性が低下しています。もっとも自分の信仰する神についてのルーンは初期キャラクターでも 60%〜90% を持っているようなので、そこまで失敗を気にする必用はないのかもしれません。


●魔道

クイックスタートでは魔道に関するルールは省略されています。


●キャラクター作成

残念ながらクイックスタートにはキャラクター作成ルールは記載されていません。そのかわりにシナリオを遊ぶために作成済みの冒険者が五人(オーランス、アーナールダ、七母神、ランカー・マイ、イサリーズの信者)付属しています。

これらの冒険者は実際のテストプレイで、でプレイヤーたちがキャラクター作成ルールを使って作った初期キャラということなので、ここからキャラクター作成ルールを推測してみます。まず武器技能を 80%〜100% 持っており最初からかなり戦闘力の高い冒険者が作れることわかります。一方で高い値を持つ技能はそんなに多くないので出来ることは限られている感じです。

全員が両親や祖父母などの記録や、過去の冒険の履歴を持っており経歴ルールを作って決めたものなのでしょう。ハレックに切られて生き残ったとかそんな波瀾万丈の経歴を持つ冒険者もいたりします。トラベラーみたいに作成中に死んでしまうようなことはないと信じたいところです。

中には 18 を超える非常に高い能力値(INT 20とか)を持っているキャラクターもいるのようなので、経歴か何かで能力値を成長さえるような仕組みなどもあるのかもしれません。他にも全員が何らかの魔法の品(単なる治癒薬だったりする人もいますが)を持っていてこれも経歴ルールで入手できるものだそうです。


●貨幣価値

ちょっと気付いたというか、意外と重要な点が貨幣価値が変更になっている点です。古いルーンクエストだと 1ルナーは貧乏人の1日の生活費くらいという扱いで、牛1頭の値段が200ルナーでした。

最近のヒーロークエストでは牛1頭が20ルナー、1ルナーあれば普通の家族が一週間暮せるくらいの価値に変更になっていて、貨幣の価値にだいたい 10 倍の開きがあります。新しいルーンクエトでは、グローランサの実状に近い方、ヒーロークエストの貨幣価値が採用されているようです。なのでルナー銀貨の価値は昔のルーンクエストと比べると約10倍あります。付属の冒険者の中に何げに 600ルナー以上の現金を持っていたりしますが、これは昔の基準でいえば 6,000ルナーに相当する大金ということになります。


●シナリオ

クイックスタートの後半は「壊れた塔(The Broken Tower)」というドラゴンパスを舞台とした短かいシナリオが記載されています。これから遊ぶ人もいると思うのでシナリオについては詳しく書きませんが、新しいルーンクエストのお試し導入シナリオとしては、かなり良くできるじゃないかと思います。


●まとめ

全体としてルールは、まだまだ開発中な感じで色々と矛盾があったり、記載が足りてなかったり(記載が足りないのはページ数を押さえるために大幅に簡略化した影響もあるとのこと)で完成度の点でが全然足りてないのですが、昔のルールのどこを生かしたいのか、何をどう変えたいか、どのような冒険を紡いで欲しいのかについて、簡略化されたルールの中からでかなり明確なビジョンを感じられるようになっいて正直感心しました。

これだよ、これ本当に欲しかったのはこういやつ、とい気持ちが強く湧いて来ます。このままブレることなる完成度を高めていってもらえると良いのですが(発売予定が今年年末とか、逆にテストプレイとか調整の時間が足りるのか心配になってたりします)。ともあれ完成版が今からとても楽しみです。

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以上

2017年6月19日月曜日

新ルーンクエストを遊んでみる会

 ●ルーンクエスト・クイックスタート

今年の年末に Chaosium から RuneQuest の新バージョン(RuneQuest Roleplaying in Glorantha)の発売が予定されていますが、それに先がけて先日の6月17日に Free RPG Day のイベントの一環として、新しいルーンクエストの Quickstart が店頭配布されました。


このクイックスタートの冊子は48ページでシナリオ1本(Broken Tower)と、それを遊ぶのに必要な最低限のルールの抜粋、作成済みキャラクターが記載されているもので、新バージョンの紹介やお試し用の作品になっています。

この冊子は欧米のショップ店頭で数量限定で配られたものなので現状で日本から入手するのは困難なのですが、7月1日に一般公開され、冊子の販売と PDF 版の無料配布がされる予定になっています。

 ●新ルーンクエストを遊んでみる会

 この新しいルーンクエストに一早く触れて配布シナリオを遊んで見ようというイベント「新ルーンクエストを遊んでみる会 〜RuneQuest Play Party〜」が、来月、東京と大阪にて開催されます。私も東京でゲームマスターとして参加する予定です。良ければ是非一緒に遊んでみませんか?

詳細は以下のまりおんさんのページから確認ください。

日程: 東京:7月23日(日)、大阪:7月30日(日)
詳細: ルーンクエスト情報局: 新ルーンクエストを遊んでみる会
           http://runequest.hatenadiary.jp/entry/2017/06/18/134955

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それでは、会場でお会いできることを楽しみにしています。

2017年5月23日火曜日

Glorantha 固有単語数の調査


ふっと、グローランサ(Glorantha)って固有名詞の数って異常に多いよなあ、覚え切れないしとか思ったので、いったいどれくらいあるのか数えてみました。

●調査対象

サンプル対象として Issaries/Moon Design/Chaosium からPDF版が出版されている全てのグローランサ出版物を対象とします。だいたい以下のようなものが含まれています。

   RuneQuest 2版の復刻: 12冊 (Troll Pack を含まず)
   Hero Wars / HeroQuest(初版): 15冊
   HeroQuest(2版): 7冊
   Guide to Glorantha: 2冊
   Wyrms Footnote  Vol.15: 1冊
   Novel: 2冊 (King of Sartar, Complete Griselda
   Stafford Library: 10冊
   Glorantha Source Bookドラフト: 1冊
   Khan of Khans rulebook: 1冊
   計: 51冊

●方法

1) PDF をテキスト化して全ての単語を切り出す
2) 大文字/小文字を揃えて重複を排除する
3) そのうち英語の辞書に載っている単語を及びその変化形を全て取り除く
4) 地球の固有名詞(著者名、支援者名、連絡先住所、図書名など)を取り除く
5) 世界に依存しないゲーム用語(能力値や呪文名など)や数値などを取り除く
6) 出現頻度が3回未満のものを捨てる

最後の出現頻度の条件ですが、グローランサのシナリオだと雑魚のやられ役のトロウルキンにまで名前が付いていたりしますがそのようなものまで数え上げるのはあまり意味がないですし、1回しか現われないものにはスペルミスの類が多く含まれていおり、それを訂正するのは手間なので一律切り捨てることにしました。

●結果

上記のように集計した結果は 9,379 単語でした。 (多過ぎるよ、そもそも覚えようとか無理でした)。

複数形や大文字/小文字以外の表記のゆらぎなどは別単語としカウントしています。もちろん細かい部分まで考えれば辞書に載っていない英単語が混っていたりとか、逆に偶然に英単語と一致してしまって削除されたグローランサ用語とかあると思うので詳細な数値には意味はありませんが、とにかく概数で一万近い単語があるという結論になりそうです。

だいたい悪いのは Guide to Glorantha にある大量の地名と、Greg 同人誌こと Stafford Library だろうということで、Hero WarsHeroQuest のサプリ22冊だけを対象にカウントしてみても 5,000 を超えていたので半端ないです。 ちなみに RuneQuest 2版の12冊だけだと 2,000 くらい。

●ランキング

今回の調査の副産物として単語の出現頻度のランキングができたので発表してみます。ランキングにあたって単数形と複数形があるものは一つにまとめました。

神名 TOP20
順位頻度単語
18372Orlanth
22682Ernalda
31612Humakt
41574Issaries
51227Lhankor Mhy
61045Yelmalio
7988Waha
8795Chalana Arroy
9782Elmal
10659Umath
11592Eurmal
11592Heler
13584Kyger Litor
14581Zorak Zoran
15575Malkion
16546Urox
17528Eiritha
18486Aldrya
19485Yinkin
20452Vingkot

感想: オーランス(Orlanth)がぶっちきりの第1位はいいとして、第2位はアーナールダ(Ernalda)なんですね。ライトブリンガーズを押さてのヒューマクト(Humakt) の3位はさすがの貫禄です。

注目は Yelmalio の6位です。 一見すると安泰みたいですが、ライバルの Elmal が9位と迫っています。 RuneQuest 2版分を含めているので勝っていますが、21世紀に出版された分だけだと、なんと  ElmalYelmalio を逆転しています。

他にも意外なところだと HelerYinkinVingkot などのオーランス系の神々が躍進が著しい感じです。 Storm Bull や Red Goddess とかは英単語として削除されているため残念ながら集計対象外です。

人名、英雄、新しい神 TOP20
順位頻度単語
11262Arkat
21210Argrath
3862Colymar
4553Nysalor
5490Kallyr Starbrow
6485Heort
7409Harmast
8401Fazzur
9399Dormal
10343Lokamayadon
11339Sheng Seleris
12329Broyan
13310Yanafal Tarnils
14302Flintnail
15298Harrek
16278Temertain
17270Etyries
18268Tarkalor
19252Delecti
20238Rurik

感想: わずかな差でアーグラス(Argrath)を押さえてアーカット(Arkat)が1位になりました。3位のコリマー(Colymar)は人名というよりは部族名として使用されている回数が圧倒的に多いと思われるので水増しチートですね。 ナイサロール(Nysalor)は神様の分類なんだけど歴史開始後なとのと Arkat との対比上こちらのリストに入ってます。グバージ(Gbaji)は惜しくも21位でランク外となりました。

16位にいるテマーテイン(Temertain)が他と比べて圧倒的な小物感を出してる癒しです。20位にちゃっかり入っているルーリク(Rurik)さんもRQ2のサンプルキャラクターによる水増しで癒し枠だけど、最近は英雄の仲間入りをした模様です。

地名 TOP20
順位頻度単語
14595Sartar
24075Glorantha
31933Prax
41097Tarsh
5869Esrolia
6799Seshnela
7697Dara Happa
8642Genertela
9626Jonstown
10618Boldhome
11610Ralios
12589Nochet
13551Kralorela
14466Balazar
15461Heortland
16453Fronela
17373Kethaela
18372Pamaltela
19367Dorastor
20358Kero Fin

感想: TOP3は書名になっていることもあって圧倒的です。グローランサ(Glorantha)をサーター(Sartar)が上回ったあたりがちょっと意外ですかね。

首都のボールドホーム(Boldhome)を押さえて9位に入ったジョンズタウン(Jonstown)は「ジョンズタウン文書」のおかげです。その他はドラゴン・パス近辺の地名および大地域なので順当ですね。Dragon Pass そのものや Spike などは英単語除外により集計対象外です。

種名 TOP20
順位頻度単語
11812dragonewt
2932aldryami
3857trollkin
4825mostali
5573uz
6451newtling
7353alynx
7353morokanth
9224durulz
10210gorp
11157ludoch
12134walktapus
1397vrok
1481triolini
1574embyli
1667uzko
1766jack o'bear
1858hollri
1858jolanti
1858ouori

感想: 一応、他のリストに合わせて20位まで集計しましたが頻度的には10位くらいで十分だったかもしれません。ドラゴニュート(dragonewt)が倍近い差を開けて1位でした。 elf や troll などのように呼び替えができないためでしょうね。

10位の gorp には「貪り喰う」のような意味の英俗語が存在していたはずですが、使用した辞書には載っていなかったため英単語除外を免れたようです。

人種、民族名 TOP20
順位頻度単語
12904Orlanthi
22066Heortling
31210Praxian
41020Sartarite
5736Telmori
6725Dara Happan
7583Malkioni
8511Humakti
9469Vadeli
10458Vingkotling
11391Hsunchen
12386Carmanian
13383Esrolian
14362Jrusteli
15337Waertagi
16297Kralori
17278Pavic
17278Tarshite
19274Brithini
20263Agimori

感想: グローランサには種族にするか人種にするか悩ましい者共が多数いるのですが人間っぽいのは全部こっちのリストに入れました。テルモリ(Telmori)とかウェアタギ(Waetagi)とか。

8位に入っている Humakti には民族的な意味が薄くて純粋に信者集団なあたりが特異です。ちなみに同じような位置付けのイェルマリオン(Yelmalion)は128回しかなく完全なランク圏外でした。

●まとめ

思ったより多量に単語が有りました(苦笑)。数を増やせば良いというものではないでしょうが、地理、歴史、神話などを詳細に掘り下げるに従って増えて行くのは仕方がないところなんでしょうね。他の RPG の背景世界などの創作ワールドだとどんな感じなんでしょうね。

グローランサには今回の集計に混ぜなかった RuneQuest 3版資料、Mongoose版資料、公式/非公式な各種雑誌資料などがあって、まだまだ増やす余地はあるのですが...

2017年5月7日日曜日

クトゥルフ・ウォーズ(Cthulhu Wars)拡張の紹介(15)

最終回は第2期キックスターターのおまけフィギュアについて紹介します。第1期のキックスターターでも多量のおまけフィギュアがついてきましたが第2回キックスターターも多数のおまけフィギュアがついてきました。

= 宇宙からの色・ゲート =
(Colour Out of Space Gate Pack)
各勢力ごとの色つき門(ゲート)が1個づつ付いてきました。開始ゲートとかの目印に使うことができますが、これらの門を使うための特別ルールが Petersen Games のウェブページからダウンロードできます。

ダウンロード: Petersen Games ダウンロードページ

= 暗闇で光る旧支配者 =
(Glow-in-the-Dark Great Old One)

大盤振舞い、旧支配者のフィギュア11体です。主に飾っておく用ですがゲームのユニットと入れ換えて遊ぶこともできますし、TRPG などに流用することもできそうです。ゲームについてくるものと同じ型ですが、これらの半透明素材のフィギュアは燐光により暗闇で光るという特徴があります。


そう言われると実際に試さざる得ないというもの、部屋を暗くしてみました。色によって明るさが違いがあってラーン=テゴスとイタカはやけに明るく光り、ウボ=サスラもそこそこ光りますが、残りは微妙な感じです。


= 独立の旧支配者の忠誠カード =
(Independent Great Old One Loyalty Card)
これはオプションルールとして各勢力に所属している旧支配者を、独立の旧支配者としても使えるようにするための忠誠カード(Loyalty Card)と独自の呪文書(Spellbook)です。例えば「這いよる混沌」勢力を担当するプレイヤーがいない時に、使用しないニャルラトホテプを独立の旧支配者として誰でも覚醒できるようできます(バランス調整のために本来ものに比べて、だいたい半分くらいのコストと性能になっているようです)。上述のおまけの燐光フィギュアを使えば2体目のクトゥルフ登場とかもできるかもしれません(末期症状)。


= H.P.ラブクラフト胸像 =
(H.P.Lovecraft Bust First Player Marker)
キックスターター恒例というべきか、H.P.ラブクラフトのフィギュアです。今回は銅像風の胸像です。これも第一プレイヤー・マーカーとして使用できます。(そういえば余談ですが2版では用語が「開始プレイヤー(Start Player)」から「第一プレイヤー(First Player)」に変更されたみたいです)


= 勢力の自作用フィギュアセット =
(Homebrew Faction Figures)
勢力を自作するための灰色の信者6人と、大司祭1人、魔力マーカーと滅亡マーカーのセットです。上述の Peatersen Game のウェブページから勢力シートや呪文書のテンプレートもダウンロードできるので、中立のユニットを組み合わせて勢力を自作できます。公式の勢力はかなり丁寧にバランス調整されているのですが、独自作成でそのレベルのバランス調整は結構難しそうです。


=追加コレクターズ・フィギュア=
(Collector's Figure)
第1期に大量についてきたコレクターズ・フィギュアの追加分です。今回の拡張には中立の怪物はほとんどいないため、この2種類だけです。キックスターターの支援金額合計がもう少し延びれば、原ショゴスやチョー・チョー人も追加される可能性はあったのですが届きませんでした。

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■とりあえず全部を紹介し終ったので今回の連載は以上で終わりです。Petersen Game では第三弾 の企画も進行中ようなので、その時にはまた書きたいと思います。

2017年5月4日木曜日

クトゥルフ・ウォーズ(Cthulhu Wars)拡張の紹介(14)

今回はオメガルールブックと6-8人用の追加マップなどを紹介します。

=オメガ・マスター・ルールブック=
(Omega Master Rulebook $20)

これまでも基本のルール、各拡張のルール、WEB配布オプションルールなど現時点までの全てルールをハードカーバ一冊にまとめた全部入りルールブックです。キックスターター支援者の中から希望者に $20 で販売されました。ルール参照用にとても便利ですがハードカーバーは重いので持ち運びには少し難があります。

以下のページで PDF版が無料ダウンロードできますので、ルール確認用ならそちらが便利かもしれません。

 ダウンロード: Petersen Games ダウンロードページ

中身はこんな感じです。


= 6-8人用マップ・セット =
(6-8 Player Map Bundle $80)

6-8人用のマップ5種類がセットになったものです。1種類づつのバラ売りもあるのですがパックで買うとちょっとだけ割引になります。値段は安い(?)ですが、あくまで既存の 3-5人用マップを 6-8人用に拡張するためのものなので、トークン類やフィギュア類はついてきません。ほんとうにマップだけなので、遊ぶためにはまずは事前に普通の3-5人用拡張マップを購入しておく必要があります。

いずれも2枚に分かれていて表面が6人用に、裏面が 8人用になっています。7人で遊ぶ場合には片側を6人用にもう方側を8人用にします。あの巨大フィギュアを8勢力並べる大きさなので通常のマップよりかなり大きいです。日本の住宅事情に優しくありません。

●6-8人用原始地球マップ

●6-8人用ドリームランド・マップ

●6-8人用ユゴス・マップ

●6-8人用セラエノ図書館マップ



= 勢力カード =
(Faction Card)

第1期キックスターターで追加報酬として無料で配られたものと(ほぼ)同じ厚いボード版の勢力シートです。そちらに参加できなかった人のために第2期では有料アドオン($10)として販売されました。第1期のがあるので私は必要ないはずだったのですが何故が注文していました。両者を詳しく比較するとフォントや色が調整されていたり、最新のエラッタを反映したり、文面が一部分かり易く修正されていたりして新版になっていました(エラッタのあるものに関してはアップグレード・キットに含まれているので必須というわけではないですがちょっとだけ嬉しい)。

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■次回で最終回の予定です。第2期キックスターターのおまけフィギュアについて紹介します。

2017年5月3日水曜日

クトゥルフ・ウォーズ(Cthulhu Wars)拡張の紹介(13)

記念すべき第13回目は第2期キックスターター Cthulhu Wars: Onslaught Two で配布されたアップグレード・キットなどについて紹介します。

= アップグレード・キット =
(Upgrade Ritual and Doom Track)

クトゥルフ・ウォーズの初版のコンポーネントを第2版相当にアップグレードしてくれるキットです。太っ腹なことに第2期キックスターターの支援者全員に配布されました。

●祭儀トラック(Ritual Track)

絶滅の祭儀(Ritual of Annihilation)トラックで標準の3人、4人、5人用に加えて6人、7人、8人用も配布されました。これで追加マップを準備すれば大人数でも遊ぶことができます。

●滅亡トラックと呪文書

新しい滅亡トラック(Doom Track)です。滅亡マーカー(Doom Marker)が右下のように大きく円盤形なったのに合わせて、この滅亡トラックも一回り大きくなっています。また最大値も 40 から 46 に上がっています。

下に並んでいるのはエラッタによって一部修正された呪文書(Spellbook)や独立の旧支配者の忠誠カード(Loyalty Card)です。アップグレード・キットの一部として配布されました。

●勢力カード(Faction Card)

同じくエラッタによって修正された勢力カードも配られました。こういう既存ユーザを大切にする姿勢は日本のメーカーにも是非見習って欲しいと思います。


= 戦闘ダイス =
(Battle Dice $20)

第2期キックスターター参加者に特典として配布された戦闘用ダイスです。同じものが第1期のキックスターターの特典にもありましたが、そちらは黒地に赤だったのに対して、今回は緑と色違いになっています。これで双方が同時の振ってもダイスが混ざることはりませんし、ダイスが足りなくなることもありません。ほんと便利です。


= 特殊ダイス・セット =
(Custom Dice Set $20)

同じくキックスターター特典の特殊ダイス・セットです。戦闘ダイスは上記の専用のものがあるのに対して、それ以外の判定の時に振るダイスは普通のサイコロというのも少々味気なかったので、この特殊能力ごとの専用ダイスがちょっと嬉しい。

奥側の5つのダイスは「道を開くもの」の「アザトースの畏怖べき呪い(Dread Curse of Azathoth)」の呪文書を使う時に使用します。

手前のダイスは左から順に、「這いよる混沌」の「千の貌(The Thousand Forms)」の呪文書、「黒山羊」の「グロース(Ghroth)」の呪文書、「アザトース」の覚醒魔力の決定、「黄衣の王」の「冒瀆(Desecration)」能力、「ウボ=サスラ」の戦闘力上昇に使用する専用ダイスです。


= 輝くトラペゾヘドロン・パック =
(The Shinig Trapezohedron Plastic Marker Pack $40)

キックスターターの支援者限定で追加アドオンとして $40 で販売されたキットです。ちょっと値段が高いですがコアルールや拡張ルールに付属している厚紙製のトークンやマーカー類をプラスティック製のものにアップグレードできます(素晴しい)。これらのプラスティックのトークンは彩色すればもっと素晴しくなると思うのですが、その時間が取れないの辛いところ。

●儀式マーカー(Ritual Marker)

このキット「輝くトラペゾヘドロン」の名前の元になったフィギュアです。絶滅の祭儀に必要な魔力を示す三角形の儀式マーカーのかわりに使用します。

●旧神の印(Elder Sign)

得点源となる「旧神の印」もプラスティク化されています。デザインに凝り過ぎていて、数字が読み難いのが難点といえば難点です。

●冒瀆トークン(Desecration Token)

黄色の印の「黄衣の王(King in Yellow)」の能力によって設置される冒瀆(Desecration)トークンとして使用します。

●蜘蛛の巣トークン(Web Token)

独立の旧支配者アトラク=ナチャ(Atlach-Nacha)が設置する蜘蛛の巣(Web)用のプラスティック・トークンです。あの6個置かれると世界が滅亡するやつ。

●汚濁トークン(Filth Token)

独立の旧支配者アブトース(Abhoth)が設置する汚濁(Filth)トークンとして使います。

●幼生体トークン(Brood Token)

前回紹介した旧支配者アイホート(Eihort)による幼生体(Brood)です。

●ブレイン・シリンダー(Brain Cylinder)

ユゴス(Yuggoth)・マップなどで使用するブレイン・シリンダー(Brain Cylinder)のプラスティック・フィギュア版です。各勢力の色ごとに4つ存在しています。

●砂時計(Hourglass)

クトゥルフ・ウォーズの特殊能力には「1分以内で相談すること。決まらない場合には…」のようなものがいくつかあります。その1分を測る専用の砂時計です。ストップウォッチで時間を測って確認したところ私のは58秒だったので多少の誤差ありそうですが、実用上は問題ないと思います。

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■次回はオメガ・マスター・ルールブックとかを紹介する予定です。

2017年5月2日火曜日

クトゥルフ・ウォーズ(Cthulhu Wars)拡張の紹介(12)

この連載も12回目となりました。今回は第2期の追加マップである「セラエノの図書館マップ」について紹介します。

= セラエノ図書館マップ =
(Library at Celaeno Map $40)

牡牛座プレアデス星団の恒星セラエノ、その第四惑星にあるという図書館を舞台としたマップです。今まで惑星規模のマップばかりだったのに、図書館を舞台というのはいきなり狭苦しくなった感じですがセラエノ図書館ですし異次元に広がった巨大な規模があるのかもしれません。

セラエノ図書館上層階
セラエノ図書館下層階
セラエノ図書館のマップは「上層階(Upper Floor)」と「下層階(Lowwer Floor)」の二つに分かれていて両方を同時に使ってゲームをします。二つのマップは「吹き抜け階段」と「アーチ通路(異次元回廊)」でつながっています。

●ヒントカード

セラエノ図書館マップは最新のマップだけあって色々とギミックがあります。その追加ルールを簡単に参照できるようヒントカードが付属しています。

●図書館の魔道書(The Library Tome)

上層階の四つの図書室には独特な「図書室の魔道書」が置いてあります。その図書室にある門(ゲート)を支配しているプレイヤーはその魔道書を取得して能力を使えるようになります。


これらの魔道書は呪文書(Spellbokk)と同じ様に使うことができ特別な能力を与えてくれます。その内容は旧神の印を獲得したり、怪物を無料で召喚したり、敵からの戦闘を防いだりどれも強力なものです。

一旦入手すると図書室の門の支配権を失なったとしても魔道書を持ち続けることができますが、延滞していることになり図書館の司書の復讐対象になります。

●沈黙(Silence)トークンと苦悩(Agony)ダイス

毎ターン各プレイヤーに沈黙トークンが1枚づつ配られ、ターンごとに一回だけそれを使用できます。このトークンは以下で説明する守衛(Custodian)や司書(Librarian)を行動させたり、魔道書を追加発動するためなどに使います。

●守衛(Custodian)

図書館にいる守衛(Custodian)で沈黙トークンで誰でも行動させることができます。図書館を騒がしているやつら(要は敵勢力のユニット)を捕まえて地下牢へ放り込みます。対象となるユニット数は苦悩ダイスを振って決めます。

●司書(Librarian)

この大量の書物を抱えたユニットは図書館の司書(Librarian)で、同じく沈黙トークンで誰でも行動させることができます。このユニットは魔道書を延滞している勢力のところへやって来て魔道書を取り戻そうとします。返さなかった場合は殺されたり滅亡点を奪われたりします(借りた本を返さないやつには容赦無し)。こちらも対象の数は苦悩ダイスで決めます。

●図書館の門

「司書」と「守衛」のいる場所では新たに門(ゲート)を支配することができません。司書と守衛は図書館の中では無敵なようで攻撃をしかけることはできないので、沈黙トークンを使ってどこか別の場所へ移動させないといけません。邪神たちが大挙して押しかけて来て戦場にするとか、本好きとしてはこの図書館のことを本気で心配していたのですが、この司書と守衛の能力を見ていると大丈夫な気がします。

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■次回は第2期キックスターターのアップグレードについて紹介します。

2017年5月1日月曜日

クトゥルフ・ウォーズ(Cthulhu Wars)拡張の紹介(11)

今回は第2期の拡張セットの中からラムジー・キャンベル・パックの2つを紹介します。ジョン・ラムジー・キャンベル(John Ramsey Campbell)はイギリスの有名なホラー/ファンタジー作家です。翻訳作品が少ないためか日本ではそこまで知られていないようですが、重要なクトゥルフ関連作家の一人です。今回紹介する拡張はラムジー・キャンベル作品に登場する邪神や怪物たちから構成されています。


= ラムジー・キャンベル・パック1 =
(Ramsey Campbell Horror Pack One $29.99)

このパック1には2種類の独立の旧支配者(Great Old One)と1種類の中立の怪物(Monster)が含まれています。

●独立の旧支配者: グラーキ(Gla'aki)

宇宙から隕石に乗ってやって来て英国の邪神銀座ことセヴァン谷(ほぼラムジー・キャンベルのせい)の湖に棲んでいます。この邪神は標的に棘を刺して液体を注入してアンデッドの奴隷にするとされおり、ゲーム的には自分の未登場の侍祭信者からも魔力を獲得できるという特殊能力があります。独自の呪文書:緑の腐食(Green Decay)があれば自分の信者が生贄にされるごと旧神の印を1つ獲得できます。

●独立の旧支配者: アイホート(Eihort)

同じくイギリスのセヴァン谷の地下の迷宮に棲むとされる旧支配者です。取り引きした対象の体に蜘蛛に似た幼生体を入れて育てさせると言われており、ゲーム的にはこの邪神を覚醒させると侍祭信者を全てを幼生体(Brood)トークンに置き変えます。
幼生体トークン
アイホートの幼生体は戦闘力を持つ信者として扱いますが移動ができません。独自の呪文書:不浄なる取引き(Unclean Bargain)が発動すると毎ターン信者が幼生体に変化するようになります。

●中立の怪物: シャガイからの蟲(Insects From Shaggai)

こいつらはアザトースを崇拝し拷問することが大好きな精神寄生生物です。行動フェイズの間、同じ地域にいる敵の侍祭信者の精神を操って移動させたり自分の側で戦闘に参加させたりできます。


= ラムジー・キャンベル・パック2 =
(Ramsey Campbell Terror Pack Two $29.99)

パック2にも2種類の独立の旧支配者(Great Old One)と1種類の中立の怪物(Monster)が含まれています。

●独立の旧支配者: ダオロス(Daoloth)

多次元に展開した幾何学的な形状をしており、その奇妙な形をたどろうとすると狂気に陥いってしまうと言われています。ダオロスには戦闘力はありませんが戦闘に参加することで敵の旧支配者の戦闘力を封じるという特殊能力があります。独自の呪文書:次元間(Interdimensional)は発動すると移動するだけで新しい門が作成できるという破格の能力です。

●独立の旧支配者: イゴーロナク(Y'Golonac)

この邪神もイギリスのセヴァン谷のブリチェスター市に近く棲むとされ、邪悪に墜ちた人物の身体を奪うと伝えられています。ゲーム的には戦闘で殺された時に敵のユニットを乗っとり復活します。支配権はその殺した相手に移りますが、独自の呪文書:啓示(The Revelations)が発動して毎ターン他のプレイヤーに旧神の印を配るようになります。

●中立の怪物: サテュロス(Satyr)

サテュロスはギリシャ神話に登場する山羊の下半身を持つ精霊ですが、クトゥルフ神話においては邪神(多分シュブ=ニグラス)によって遺伝子を歪められた人類の末裔とされています。このユニットを召喚すると必ず侍祭信者も一緒に召喚されるという特殊能力があります。

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■次回はセラエノ図書館マップについて紹介します